「救急車なう」搬送中に記念撮影 傷病者本人が自撮りすることも… 問われる利用者のモラル 【大分】
救急車の適切な利用が呼びかけられる中、今、全国的に問題となっているのが、搬送中に車内を撮影をする行為です。
大分県内でもそういった事例が起きていて、消防では控えるよう呼びかけています。
――TOS鹿島佑里記者
「けが人や病人を搬送する救急車。今、その救急車での写真撮影が問題になっています」
旧Twitter、X上に「救急車なう」の言葉とともにアップされているのは、救急車の内部とみられる写真。
こうした救急車内での撮影は全国で問題となっています。
年間2万件以上の搬送を行う大分市消防局でも、こういった場面に遭遇することがあるといいます。
――大分市消防局 救急救命課 浜崎正秀さん
「傷病者本人が自撮りするとか同乗した関係者が撮影するということがある。初めて救急車に乗ったとか友達が搬送されているということで撮影しているのかなと思ったりはする。あくまで個人的な意見だが」
大分市消防局では狭い救急車内での撮影は処置の妨げになったり、隊員の心理的な負担になるので控えてほしいとしています。
一方、全国の消防では対策に乗り出しているところも。
埼玉県の川口市消防局では4年前から撮影禁止を示すステッカーを救急車に掲示しています。
隊員が撮影を控えるよう伝えやすくなる効果もあるということです。
一方、SNSを活用した方法も…
岡山市消防局では注意喚起の動画をインスタグラムで公開。
実際に起きた事例を職員が出演して再現しています。
懸命に処置しようとする隊員の妨げとなる救急車内での撮影。
利用者のモラルが問われています。
こうした救急車での撮影ですが、TOSが県内すべての消防に聞いたところ、大分市と別府市が「ある」という回答でした。
実際に起きた事例も聞きました。
傷病者に付き添って車内に同乗した友人がお酒に酔っていて撮影を始めるといったケースがあったそうです。
大分市、別府市の消防ではそうした場面に遭遇したら、その場で隊員がやめるよう伝えているということです。