【予報士解説】なぜ?台風でも梅雨でもないのに「観測史上最大」 2つの方角からの湿った空気ぶつかる
22日、宮崎県内は線状降水帯が発生したと発表があってから一気に雨が強まり、ところによっては降り続いたように感じました。県内は、いったいどういった状況だったんでしょう。気象予報士の酒井さんとともに、線状降水帯が発生した当時の状況を天気図で振り返っていきます。
こちらが22日午後3時の天気図です。九州の北部、対馬海峡付近に低気圧があって、こちらに向かって、暖かく湿った空気が流れ込んでいました。さらに画面の右側、太平洋高気圧の周りからも湿った空気が流れ込み、2つの異なる方角からの湿った空気が流れ込んで、ちょうど南部平野部付近でぶつかったことで次々と雨雲が発達し、線状降水帯となりました。
そしてその雨雲がまた移動していったそうですねゆっくりと北部へと移動したことで、夜遅くには延岡市内などで記録的な大雨となっています。この雨雲の動き、雨雲レーダーで見ていきましょう。昨日の朝の衛星画像ですが、次第に午後になると南部を中心に雨雲がかかり、ちょうどこのように発達した雨雲がかかり続けました。
この雨雲が夜になると次第に北へと移動していて、夜遅くにかけて、延岡市内などで記録的な雨をもたらしています。宮崎県内は記録的短時間大雨情報が3回発表されています。どれぐらい雨が降ったのか、22日の雨量を見てみますと、延岡市で324ミリ、延岡市古江で301.5ミリ、この量が1日で降りました。酒井さん、どういった量なんでしょうか?
これは平年10月位1ヶ月の雨の量の1.5倍に当たる降水量なんです。かなり多い。まとまった雨が降った、そして都農町や日南市深瀬でも、平年10月の1ヶ月の降水量が降ったということです。
1時間雨量で見てみると、延岡市古江では1時間で114ミリ。都農町では88ミリと、台風でも梅雨でもないのに、観測史上最大を記録したんです。