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テレビ宮崎

「歌会始の儀」最年少入選 日常を短歌に紡ぐ高校生

<p>先月、宮中で行われた「<strong>歌会始の儀</strong>」に、宮崎県延岡市の高校生・<strong>森山文結(もりやま ふゆ)さん(16)</strong>が参加しました。<br>国内・海外から1万6250首の応募があった中で、一般入選者10名の一人に選ばれた文結さん。<br>文結さんは今回最年少での入選。県内からの入選は、実に31年ぶりの快挙となりました。</p><figure><img src="https://www.umk.co.jp/udoki/20250201_ut_0001_02.jpg" alt="02 披露された作品" height="auto" width="auto"/></figure><p><strong>■天皇皇后両陛下の前で披露された作品</strong></p><p>題目の「夢」という文字を書いた際に、文字が掠れてしまっていたこと、ペンだこに墨がついた実体験をそのまま詠んだのだそうです。</p><figure><img src="https://www.umk.co.jp/udoki/20250201_ut_0002_03.jpg" alt="03 森山文結(もりやま ふゆ)さん" height="auto" width="auto"/></figure><p>日常の何気ない風景の中に、将来への不安や期待を織り交ぜたこの作品。<br>天皇皇后両陛下の前で披露され、特に「<strong>掠れた夢といふ字を見てる</strong>」という表現について「<strong>よく詠めていてよかったね</strong>」とお言葉をいただいたといいます。</p><h5><strong>短歌との出会いと創作の魅力</strong></h5><p>文結さんは短歌を始めてまだ2年ほど。<br>俳句をたしなむ母や祖母の影響で、幼い頃から俳句や短歌の世界に親しんできました。<br>俳句と短歌の違いについて、「<strong>俳句は情景を描くもの、短歌は自分の心情を表現できるもの。両方違った良さがある。</strong>」と語る文結さん。<br>普段から印象に残った言葉や感情をノートに書き留め、そこから俳句や短歌を生み出しているそうです。<br>文結さんが所属する文芸部・俳句同好会のメンバーは、文結さんの歌や句について「<strong>輪郭がぼやけていて、現実との境界線が曖昧な感じをすくい取って詠むのがすごく上手</strong>」と話します。</p><h5><strong>友人との会話から生まれる短歌</strong></h5><p>友人の恋愛話や、日常の些細な出来事も、文結さんの手にかかれば美しい短歌に生まれ変わります。</p><ul> <li>「この恋が 終われば死ぬと言い放つ 百物語みたいなあのこ」</li> <li>「打ち込んだ 文字を消してはまた打って 少しの毒に気づいてほしい」</li> <li>「マフラーと髪の隙間に光さす 切ったばかりの毛先が溶ける」</li> <li>「歌にして 歌にして歌に 歌にして もう会うことのない君のため」<br>(もう会わない人のことを考えていても、歌にすれば形に残るから自分は覚えておけるよという歌)</li></ul><p>友人との何気ない会話や出来事をもとに作られる短歌は、どこか儚く、それでいてリアルな感情が込められています。</p><figure><img src="https://www.umk.co.jp/udoki/20250201_ut_0003_04.jpg" alt="04 文芸部・俳句同好会" height="auto" width="auto"/></figure><p>文芸部・俳句同好会のメンバー、文結さんの母・栄子さんなどが参加して開かれる「句会」では、共通のテーマで詠んだ句を持ち寄り講評し合います。</p><h5><strong>将来の夢と短歌への想い</strong></h5><p>今回の歌会始の儀での入選を受け、文結さんは宮崎県の「県学生栄誉賞」も受賞しました。<br>文結さんは「<strong>短歌は自分の気持ちを残していける一つの手段。等身大の自分を変えずに趣味として続けたい</strong>」と話します。</p><figure><img src="https://www.umk.co.jp/udoki/20250201_ut_0004_05.jpg" alt="05 森山文結(もりやま ふゆ)さん" height="auto" width="auto"/></figure><p>将来の夢は「図書館の司書」なのだそう。<br>瑞々しい感性を生かした今後の作品にも期待されています。</p>

日テレNEWS NNN

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