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「炎が上がることで気持ちがすっきり」 酒田市連続放火事件初公判 検察が動機を明らかに

2024年9月13日 18:06
「炎が上がることで気持ちがすっきり」 酒田市連続放火事件初公判 検察が動機を明らかに

酒田市でことし発生した連続放火事件で、3件の非現住建造物放火の罪に問われている元酒田市消防団員の男の初公判が13日、山形地方裁判所鶴岡支部で開かれました。被告の男は起訴された内容をすべて認めました。

3件の非現住建造物等放火の罪に問われているのは、酒田市北新町2丁目の無職で元市消防団第1分団・副分団長の田賀一稀被告(28)です。田賀被告は、ことし5月30日に酒田市公園会館、5月10日に酒田市北新町2丁目の空き家、それに、5月5日夜に酒田市寿町の会社事務所に火を付けたとされています。
初公判で田賀被告は、3つの事件すべてで起訴された内容を認めました。
検察側の冒頭陳述によりますと、田賀被告は去年11月からことし5月まで勤務していた自動車整備工場で仕事のミスを繰り返し、上司や同僚から度々叱責されたことに加え、消防団の副分団長として会議や訓練などが重なったことや、防火水槽の点検、広報パトロールなどの活動に団員が参加してくれないなどの不満を抱えていました。
そのストレスを晴らすため、人目につかない場所を選んで自宅から灯油をペットボトルに入れて運び、建物の壁などにまいて棒状の多目的ライターで火を付けたとしています。動機については、田賀被告は炎が上がることで気持ちがすっきりし、消防団員として活躍することで周囲から認められたかったと指摘しています。
酒田市の中心部ではことし4月下旬からおよそ1か月間で不審火が8件相次ぎました。田賀被告はこのうち、3件の放火の罪で起訴されています。検察側は、田賀被告について9月中にさらに放火事件1件で追起訴する見通しを示しました。
次回の公判は、10月30日に開かれる予定です。

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