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残業規制「クリアできない」運送業者の1割超が回答 長距離輸送から“撤退”も 山梨県

2024年6月21日 19:02
残業規制「クリアできない」運送業者の1割超が回答  長距離輸送から“撤退”も  山梨県

 いわゆる物流の2024年問題に関し山梨県トラック協会が4月に行った調査で、加盟事業者の約1割が法律で定められた残業時間の上限となる年960時間を「クリアできない」と回答したことが分かりました。

 物流の2024年問題は、人手不足で長時間勤務が慢性化していたトラック運転手の残業の上限が4月から年間960時間に制限され、輸送力の低下が懸念されているものです。

 調査は県トラック協会が4月、加盟事業者を対象に行い、68.4%にあたる184社が回答しました。

 それによりますと、残業時間を960時間以下にできるか尋ねた設問に対し、「できる」と答えた企業と「すでにできている」と答えた企業がともに23.4%だった一方、10.9%にあたる20社が「できない」と回答しました。

 最も多いドライバーの年間の残業時間がどのくらいかを尋ねた設問では、全体の18%にあたる33社が「1000時間以上」と回答し、このうち「1200時間以上」と答えた社が4社ありました。

 また、残業規制がクリアできず、長距離輸送から「撤退」または「撤退する予定」と答えた企業も29社あり、規制により事業形態を変更せざるを得ない事業者の存在が浮き彫りとなりました。

 山梨県トラック協会 堀内恒久 事務局長
「『荷物があるのに人がいないので運べない』『特に若年層の人材確保が死活問題』というのが、多くの事業者から声があがった」

 こうした状況を踏まえ、県は宅配現場の負担となっている再配達を抑制する宅配ボックスの普及や運転手の人材確保を支援する方針です。

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