新紙幣発行まで2週間 県内企業も対応進む「注文10倍」「負担大きい」明と暗 山梨県
7月3日の新たな紙幣の発行まで19日で2週間となり、県内企業も対応に追われています。
いつもの10倍の注文が殺到し、特需に沸くメーカーがある一方、機器を入れ替える小売業者からは「負担は大きい」との本音も聞かれます。
約20年ぶりにデザインが刷新される1000円、5000円、1万円の新紙幣は7月3日に発行されます。
そんな中、大忙しなのがこちら。
券売機や両替機を製造する中央市のメーカーです。
去年11月ごろから新紙幣に対応する機器への注文が右肩上がりに増加。
飲食店やゲームセンターからの注文が多く、中でも両替機の注文は去年の同じ時期の10倍に上っています。
協南精機 川口剛史 社長
「フル稼働してみんな残業で対応してくれている。厳しい世の中で注文いただいて、20年に1度の特需なので非常にありがたいと思っている」
殺到する注文に工場の作業スペースを広げて対応していますが、いま受注しても納品は半年先になるということです。
一方、甲府市にあるセルフ式のガソリンスタンドです。
こちらでは5月中旬、給油に使う計量機やつり銭を出す精算機などを新紙幣対応のものと入れ替えました。
かかった費用は約170万円。
経営する会社では県内でほかに2店舗を展開していて、3店舗合わせると、350万円もの出費となりました。
ガソリン価格が高騰する中、小規模店にとって負担は大きいと言います。
シミズヤ 清水千恵 社長
「導入せざるを得ない。ガソリンスタンドは特にかかった費用を価格に転嫁はできないので、回収もできない形になるので大変」
このほか、山梨中央銀行では発行日の翌日、4日から新紙幣の取り扱いを始めます。
4日と5日は各店舗に専用窓口を設けて新紙幣への両替に対応するほか、取り扱い枚数を1回あたり1券種10枚まで、最大3券種30枚までに制限するということです。