大阪府の吉村知事は27日、政府に求めていた「備蓄米の放出」について国が慎重な姿勢を示したことに対し、「需給はひっ迫している。現場感覚とは違う」と批判しました。

　大阪府は前日の26日、米の流通状況を改善するために農林水産省に対し、政府の備蓄米を小売店などに早期に流通させ、改善するよう要望したと発表しました。

　大阪府によりますと、大阪府内の小売店などで米の入手が難しい状況が続いていて、先週、緊急で実施した抽出調査では「大阪府内のおよそ8割の小売店などで、品切れが発生している」という結果が出ていました。

　一方、坂本農水相は27日、「新米が通常より早く出回っており、不足感はだんだん減少していくと思っている。要望があったが、民間の流通が基本となっているコメの応需に影響を与えるおそれがある」と慎重な姿勢を示しました。

　これに対し、吉村知事は「実際にコメは店頭にはなく、大阪に限った話ではない。需給がひっ迫し、価格は急騰している。100トンの備蓄米があるのであれば、それを放出しないのはおかしい」と語り、国の姿勢を批判しました。

　また、吉村知事は、「9月中旬には収まると聞いているので落ち着いた対応してほしい」として、改めて買いだめを控えるよう府民に呼びかけました。