【対策を解説】注意すべきはトイレとスマホ ノロウイルス感染急増 非常に感染力強く、2か月生存可能
(黒木千晶キャスター)
ノロウイルスなどが原因の「感染性胃腸炎」の患者数が今年に入って急増しています。
まず、大阪の「感染性胃腸炎」の発生動向を見ていきたいと思います。
ピンクの棒グラフが今年の数字、そして紫の折れ線グラフが去年の数字になります。
例年であれば感染が落ち着くタイミングなんですが、今年はまだまだ流行がピークを迎えているということです。
なぜ感染が急増しているのか、ノロウイルスの特徴を見ていきたいと思います。
まず、感染した場合、12時間から72時間以内で発症します。嘔吐、下痢、微熱などの症状があり、特効薬というのはありません。
そして感染力ですが、少量のウイルスでも感染してしまいます。非常に強くなっています。
そしてウイルスが衰えないというのも特徴になります。20℃の環境であれば約1か月、そして4℃の環境であれば、約2か月生存可能ということです。
例えば冬に、外の手すりにウイルスが仮に付着していたとすると、そこで2か月間、長い間生き延びることができるので、それだけ広がりやすくなってしまうということです。
ウイルスに対する抗体は、ワンシーズンで消えてしまうというのも特徴になります。専門家によりますと、症状が弱かったり、稀に無症状の人もいるので、感染が広がる可能性もあると指摘されています。
そして、ノロウイルスに感染しやすく注意すべき場所が「トイレ」です。
ウイルスの付着実験を、産業技術総合研究所が行っています。
ふたを閉めて流した場合でも、両側の壁に合わせて33%、便座の裏に29%、便座の上に15%、ふたの裏に10%、ウイルスが付着していたということです。
もし、ふたを開けて流した場合、もっとトイレの中で広がっていると思います。不特定多数の方が利用する会社のトイレや、駅のトイレなどは、注意が必要です。
専門家によりますと、「症状は数日だが、便には約1週間ウイルスが残るので、注意が必要」ということです。
さらにもう一つ、スマートフォンをトイレに持ち込んでいる方もいると思いますが、スマートフォンというのも注意が必要です。
トイレの中でウイルスに触れてしまった後、ウイルスのついた手でスマートフォンを触ると、スマートフォンにウイルスがついてしまいます。
トイレから出た後に手洗いをしたとしても、スマートフォンにウイルスが残っていると、ウイルスが手についてしまって、それがまた体内に入ってしまうということです。 皆さん十分に気をつけていただきたいと思います。
家族に移さないためにはどうしたらいいのか。対策をまとめてみました。
感染者が触るところは、あまりアルコールの消毒効かないということで、塩素消毒液を使って拭き取りするのがいいということです。ドアノブやスイッチ、蛇口など、触るところは塩素消毒液を使って拭き取るようにしてください。
これは、大阪市のデータですが、塩素消毒液の作り方は、水1リットルに対して原液4ミリリットル。4ミリリットルというのは、だいたい500ミリのペットボトルのふたに1杯分くらいのものを割るといいということです。
ほかにも、中性洗剤の泡で食器をよく洗う、感染者のお風呂は最後にする、といった対策も有効だということです。
やはり気温が低いと長く生き延びられるということで、真冬に感染が爆発的に広がってしまうということです。
専門家に聞きました。「感染予防には、泡立てて手洗いが大切」だということです。
そして流行は、いつまで続くのか気になりますが、「3月中旬から下旬ごろまで」ということで、あり1週間から2週間は、十分に注意が必要です。
気温が低いと生き延びられるウイルスになってくるので、暖かい日が増えてくると減少していくのでは、ということです。
しっかりと休息をとって、手洗い、うがいなどをして、体調管理に十分、気をつけて下さい。