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【特集】あの“100均”が新展開!?「均一ショップ」が生き残りをかけた戦い…独自戦略の裏側に密着

2024年7月23日 18:04
【特集】あの“100均”が新展開!?「均一ショップ」が生き残りをかけた戦い…独自戦略の裏側に密着

 “物価高”の中で暮らしの強い味方「均一ショップ」が変化しています。お馴染みの”100均”にも異変が。

 有吉優海 記者
 「奈良県に初オープンしたこちらのお店。オシャレな雑貨などが並びますが、 実は100円ショップで有名なダイソーが手掛けたお店なんです」

 330円の商品を中心に、110円から1100円までの雑貨をそろえた「Standard Products(スタンダードプロダクツ)」。“100円均一”でおなじみ、「ダイソー」の新ブランドです。
 
 大創産業・中野里緒さん
 「『ちょっといいのが、ずっといい。』というブランドコンセプトをもとに、品質や素材にこだわっていて、長く使える。デザインもシンプルで飽きがこない」

 物価高のなか、素材へのこだわりや地域の産業とのコラボなど、価格以外の価値をつけて、100円ではない商品でも「お手頃」感をアピール。
 
 購入客
 「耐熱オーブンやレンジもいける大きいお皿とかいろいろ買いました。ちょっといいものが欲しかったので嬉しい」
 「かわいいものが、おしゃれに手軽に買えて良い」

 こうした流れはダイソーだけではありません。

 “プチプラ雑貨”で有名な「3COINS(スリーコインズ)」。
 
 店内に並ぶのは、500円を超える商品や、なかには3300円の商品も。その名の通り、30年前のオープン当時は「300円均一」でしたが、商品の幅を広げようと、2000年代から300円ではない商品開発を進め、今では商品の半分近くを占めるまでに。

 3COINS 広報・矢八有香子さん
 「世の中のものがすべて(価格が)上がっているなかで、生活必需品ではない私たちの生活雑貨を選んでいただくためには、デザインを少し変える、機能を一つ増やすとかとは出来る限りやるようにしている」

 近年は、製造や輸入コストがかさむため、商品の見せ方や店舗を工夫して効率的に利益を出そうと大型店を増やしています。家族連れをターゲットに、ベビーカーも通れるよう通路を広げました。多様な商品を並べることで滞留時間が長くなり、1人あたりの購入額は120円ほどアップしました。

 一方…。

 サンキューマートの運営会社・小山毅志 社長
 「もう一度原点に立ち戻って390円で勝負したい」

 大阪・吹田市に本社を構える雑貨店「サンキューマート」。打ち出したのは、“値下げ”宣言です。
 
 「390円均一」を売りにしていましたが、円安などの影響で、ここ数年は390円を超える商品が増えていました。主なお客さんは女子中高生。ですが、”値上げ”を機に離れていき、去年の売上は前年よりも2割ダウン。ファンを取り戻そうと今年3月、「390円」に原点回帰を宣言したのです。
 
 サンキューマートの運営会社・小山毅志 社長
 「こういう経済の状況下で、すごくお小遣いが増えているわけでもないので、どうしたら(客が)戻ってきてくれるかという部分で、やっぱり価格390円にこだわろうと」

 ただ、原材料費も高騰する中での「値下げ」は一筋縄ではいきません。

 商品開発の担当者
 「今のところ原価がやばい…」
 「売れれば売れるほど赤字…」

 この日の議題は売れ筋のトートバッグ。780円で販売していた商品の価格を見直しましたが、その結果、なんと赤字に…。

 商品開発の担当者
 「原価を下げたいですね。大きなトートと小さなトートとを共通化させて、中くらいのサイズにまとめるというのも、1つの手かな」
 「サイズ感はどうしても維持したいなと。女子高校生をターゲットに大事にやっているので、ノートや教科書がまず入るように」

 10社ほどの工場にかけあい、生地を薄くすることでなんとかコストを抑える見通しが立ちました。

 サンキューマート・商品開発担当
 「390円にしたときに何かを諦めなければいけないので、それは悔しいなと思いつつ、でも売れるのは390円なので、『390円で作らないと』という使命感で」

 物価高の今だからこそ、生活により身近になった低価格の雑貨。生き残りをかけた模索が続いています。

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