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異例のお盆休み「巨大地震注意」で関西各地に影響「災害掲示板の使い方確認」大阪では防災アプリも

2024年8月12日 17:44
異例のお盆休み「巨大地震注意」で関西各地に影響「災害掲示板の使い方確認」大阪では防災アプリも

 すでに混雑が始まっているようですが、今年は、南海トラフの「巨大地震注意」が発表されているため異例のお盆休みとなりそうです。関西各地の影響を取材しました。

 最大9連休の人もいる今年のお盆休み。関西空港では海外で過ごす人たちの出国ラッシュが…

 韓国へ行く家族
(Q:お盆はどこに?)
「韓国に行きます」
「(KーPOPアイドルの)事務所巡りをしたいな」
「私は美容ですね。アートメイクしようかなと思って。その時は(子供たちを)旦那におしつけて行こうかなと」

 関西エアポートによりますと、期間中の国際線の利用者数は約66万5000人を見込んでいて、コロナ禍前の2019年と比べて89パーセントまで回復する見込みです。

 報告 髙倉芳和カメラマン
「大山崎JCT上空です。名古屋行き方面は車の渋滞であまり進んでいません」

 NEXCO西日本によると、上りの混雑のピークは13日まで、下りの混雑のピークは12日までで、名神高速では草津JCTから京都南IC間で最大15キロの渋滞を予測しています。

 新大阪駅では、大きな荷物を抱えた家族連れなどの姿がみられました。

 帰省する人
「千葉の松戸へ、じいじとばあばに会いに行く。じいじとサッカーの特訓したい」

 JR東海によりますと、3連休最終日のこの日、東海道新幹線は混雑のピークに。お盆の期間中、すべて指定席で運行している「のぞみ」は、すでに一部満席の列車も出始めているということです。
 そして、「地震」を警戒する人もー。

 帰省する人
「まず妻と連絡が取れるように、災害掲示板の使い方を確認したりとかは事前にしていた。新幹線の中でも何かあったときのために、備えをしてるのと。向こうに行っても、ちゃんと確認はしたいなと思っている」

 気象庁(今月8日)
「南海トラフ地震臨時情報『巨大地震注意』を発表しております」

 平常時に比べ、大規模地震の発生が高まっているとされ、いつ地震が起きてもおかしくない状況が続いています。

 報告 櫻茜理 記者(11日)
「今日は日差しがとても強く、海水浴日和なのですが、3連休中日(11日)にも関わらず白良浜は遊泳禁止で閑散としています」

 この発表は関西有数の観光地・白浜にも影響を与えています。
 白浜町では先週木曜日(8日)の地震を受け、連休初日の10日から白良浜など4つの海水浴場への立ち入りを完全に禁止に。隣接の駐車場も閉鎖しました。入り口では警備員が目を光らせる中、記念撮影だけをして帰る観光客の姿が多く見られました。

 広島県から来た観光客
「もしもの時の心構えだけはしてきたが、まさかほんまに遊泳禁止とは思っていなくて…」

 本来なら、書き入れ時のお盆休み。海水浴のグッズを扱う店舗は大きな打撃を受けています。

 おみやげ・喫茶「望洋」店舗スタッフ
「こんな夏の時期にお客さんがほとんど通らなくて、浜にも全然出られていないのは初めて。町の判断は厳しいが、もしもの時があった時にはこれが正しいんかなって…」

 もし人の移動が活発なお盆の時期に巨大地震が発生すれば、関西では死者が約4万人という想定がなされています。
 大阪市内中心部には津波が押し寄せ、最大約2メートルの浸水。梅田の地下には約2時間半で津波が到達します。

 さらに2018年の大阪北部地震では、エレベーター内の閉じ込めが発生しましたが、南海トラフ地震では最大2万3千人の閉じ込めが推定されています。

 もしもに備え、今いる場所が安全か確認できるアプリがあります。

 「大阪防災アプリ」は誰でも利用可能で、今、自分がいる場所と大阪府内の津波の浸水想定区域を重ねて確認することができます。ほかにも避難情報や鉄道情報なども確認できるため、大阪市はアプリを活用するなど改めて地震の備えを呼びかけています。

 和歌山県白浜町の海辺で1か月程前に店をオープンした、神奈川県横浜市出身の佐野麗佳さん(27)。自然豊かな白浜の魅力に惹かれて町に来たものの、これまで、災害への危機感はあまり感じていなかったといいます。

 白浜で店を開業 佐野 麗佳さん
「海辺の街なのでサンダルで出歩くことが多かったが、スニーカーに替えました。すぐ逃げられるように、いつでも準備ができるような状態にしておこうという意識を持つようになりました」

 もしもの時に備え、佐野さんは大量の飲料水を備蓄するようになりました。近所のドラックストアは水が品切れのため、店から10キロほど離れた場所へ水を汲みに行きます。

 また、南海トラフ地震が発生すると最大16メートルの津波が想定されているため、避難場所となっているホテルへ行き、実際に逃げる際の経路を確認させてもらいました。

 佐野 麗佳さん
「上に行けば行くほど安全という認識で大丈夫ですか?」
 避難場所に指定されているホテルの担当者
「そうですね。津波の高さにもよるが、より高い方に逃げて頂く方が良いのではないかと思います」
 佐野 麗佳さん
「 ホテルのスタッフさんが当日案内して頂ける?」
 避難場所に指定されているホテルの担当者
「我々スタッフが避難誘導させていただきます」
 佐野 麗佳さん
「それについていきます。わかりました。ありがとうございます」

 今回の地震をきっかけに再確認した「日々の備え」は、いざという時の心構えになります。

 佐野 麗佳さん
「確かに危険と隣り合わせだが、何かあるかもしれないという覚悟を常に持ちつつ、毎日を楽しんでいこうという意識で生きています」

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