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【速報】「紅麹」問題で小林製薬「再発防止策」を公表 山根社長が会見「全社一丸となって意識改革」 中期経営目標から「連続増益」を削除「品質・安全ファースト」に

2024年9月17日 16:45
【速報】「紅麹」問題で小林製薬「再発防止策」を公表 山根社長が会見「全社一丸となって意識改革」 中期経営目標から「連続増益」を削除「品質・安全ファースト」に
小林製薬の山根聡社長(中央)らのオンライン会見(17日)

 小林製薬の「紅麹」を含むサプリメントを摂取後に健康被害が相次いでいる問題で、小林製薬が「再発防止策」を発表し、山根聡社長らが17日、オンラインの記者会見で「改めて、関係の皆様に多大なご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。今後は全社一丸となって製品の品質・安全に関する全役職員の意識を改革してまいります」と語りました。

 小林製薬がとりまとめた再発防止策は、「①品質・安全に関する意識改革と体制強化」「②コーポレート・ガバナンスの抜本的強化」「③全社が一丸となって作り出す新小林製薬」の3つの柱からなります。

 具体的には、これまで掲げていた「連続増益」の中期経営目標を削除した上で、「品質・安全ファースト」を最重要課題に設定。全開発・製造に関する法規を専門的に扱う専門部署を新設するなどして、工場のマネジメント体制を強化するほか、社外取締役が取締役会の議長を務めるなどして監督を強化するということです。

■検証委の報告書で「人員不足が常態化、タンク内に青カビ付着」指摘

 この問題をめぐっては、「紅麹コレステヘルプ」などのサプリメントを摂取した人が相次いで腎臓の疾患などを発症。厚生労働省によりますと、9日時点で、死亡者の申し出が391人、入院した人が498人、医療機関を受診した人が2426人に及んでいます。死亡者のうち、272人についてはサプリメントを摂取していなかったことが確認されていますが、残る約120人について、因果関係などの詳細な調査が進められています。

 これまでに紅麹原料から青カビから生成される天然化合物の「プベルル酸」のほか、複数の物質が検出されたことが明らかになっています、国や大阪市などはこれらの物質の毒性試験を行い、今年の秋ごろをめどに原因となった食品を特定した上で、2025年3月ごろに調査結果をまとめる方針を示しています。

 一方、独立した有識者によって構成される小林製薬の「事実検証委員会」は7月、「遅くとも2月上旬以降、全社を挙げて早急に対処すべき緊急事態だった」と結論づけた調査報告書をまとめました。この報告書の中では、製造現場での人員不足が常態化し、原料ロットが乾燥されないまま放置されていたり、培養タンクの内側に青カビが付着したりしたことがあることが、従業員への聞き取りで明らかになっていました。

 この調査報告を受け、小林製薬は創業家の小林章浩社長と小林一雅会長が辞任し、山根聡専務(当時)が後任の社長に就任。8月19日から、慰謝料や休業補償などを含めた補償の受付を開始しています。

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