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【速報】「かけがえのない宝物」放火で殺害された小学生の兄弟2人の父親が被告に改めて『死刑』求める 兵庫・稲美町放火殺人事件の控訴審始まる 大阪高裁

2024年12月17日 15:15
【速報】「かけがえのない宝物」放火で殺害された小学生の兄弟2人の父親が被告に改めて『死刑』求める 兵庫・稲美町放火殺人事件の控訴審始まる 大阪高裁
松尾侑城くん(当時12)と眞輝くん(当時7)の兄弟

 兵庫県稲美町で住宅を放火し兄弟2人を殺害した罪に問われる伯父の控訴審が17日、大阪高裁で始まりました。兄弟の父親は法廷で「私たち夫婦にとって兄弟2人は生きがいであり、かけがえのない宝物だった」と訴え、改めて死刑を求めました。

■被告は「妹夫婦に苦痛を与えるため」 一審で死刑求刑も「親族間トラブル」で懲役30年

 松尾留与被告(54)は、2021年11月、兵庫県稲美町の自宅に火を放ち、同居していた甥の松尾侑城くん(当時12)と眞輝くん(当時7)の兄弟を殺害した罪に問われています。

 一審の裁判員裁判で、松尾被告は起訴内容を認めた上で、「妹夫婦に精神的苦痛を与えるためにやった」と話し、検察が死刑を求刑したのに対し、神戸地裁姫路支部は今年2月、「親族間のトラブルが背景にある」などとして懲役30年を言い渡し、検察側は判決を不服として控訴していました。

 控訴審が始まるのを前に、両親は読売テレビの取材に対し「子どもたちには、こういう判決が出たというのは今も報告していない。ちゃんとした判決が出るまでは、たぶん子どもたちも納得いかない。これからも闘うつもりでいる」と心境を語っていました。

■父親が意見陳述「一審判決、耳を疑った」 母親は「何度も死のうと思った」

 17日、大阪高裁で始まった控訴審で、父親は意見陳述を行い、「一審の判決は予想もしないあまりに軽い刑で耳を疑い、大きなショックを受けた」とした上で、「被告人は、よく分からない理由で私たちとの会話をしなくなり、子どもたちにも怒鳴ったりするようになり、私たちの部屋に勝手に入るなど異常な行動の連続だったため、私たちも自分たちの最低限の生活を守るために被告人に対しては危機感も常に持ち続けていた」と事件前の松尾被告と家族との関係について説明しました。

 さらに、「私たち夫婦にとって、侑城と眞輝は生きがいであり、かけがえのない宝物でした。被告人が死刑になろうとも、幼い2人の子どもたちは、二度と返ってくることはありません」と訴え、「私は被告人に対して死刑の判決を求める」と話しました。

 また、兄弟の母親は代理人の代読で「親が2人の幼い子供を失うという事はどれほど苦しいことか、計り知れないものです。事件後、何度も死にたい、死のうと思いましたし、今でもそのように思うことが何度も何度もある。あの日以来、私の心も殺された。被告人は私の実の兄ではありますが、今はもう憎い殺人者以外の何者でもありません。元気いっぱいで可愛いままの2人の子供を返して欲しい、幸せだった家族を返して欲しい。被告人には、その事だけしか言えません」と訴えました。

 裁判は即日結審し、判決は来年3月14日に言い渡されます。

 両親は、国が設けている経済的支援である「犯罪被害者等給付金」を申請しましたが、加害者が兄弟の親族であることを理由に支給額を3分の1に減らされ、「親族関係は破綻していた」と決定の取り消しを求めて民事裁判を起こしています。

最終更新日:2024年12月17日 15:30
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