大阪市内のマンションで10日、住人の52歳の女性が腹部などを刃物のようなもので刺されて殺害された事件で、警察は11日、元夫を逮捕したと発表しました。
　元夫は調べに対し、「元妻を私が殺したかどうかは覚えていません」などと容疑を否認しているということです。

　10日午後10時すぎ、大阪市東住吉区のマンションで、「人が刺されている」と付近の住民から警察に通報がありました。

　警察が駆けつけると、3階の廊下で、住人の橋野美保さん（52）が腹部などを刺され、血を流した状態で倒れていて、死亡が確認されました。美保さんの体には、刺し傷や擦り傷など約30か所の傷があり、左胸下の大動脈損傷による失血死とみられています。

　刺したのは黒い服の男とみられ、現場から逃走しました。

　近隣の住民
「男の人が叫ぶ声が聞こえて、そのあと女の人の泣き叫ぶ甲高い声がした」

　被害者の知人
「愛想いい方で特に問題はなくて、マンションのことをよく見てくれている方で、『家の鍵を替えてほしい』と。替えるのはいいですけどなんかありましたと聞いたら、理由をちゃんと教えてくれなかったですね」

　警察は殺人事件として防犯カメラなどを捜査したところ、事件後に大量の薬を飲んで、病院で治療を受けていた50代の元夫が事件に関与した疑いが強まったとして、元夫の橋野忠司容疑者（51）を殺人容疑で逮捕しました。

　忠司容疑者の自宅からは血のようなものがついた刃物や衣服が見つかったということです。

　忠司容疑者は調べに対し、「元妻を私が殺したかどうかは覚えていません。ですが、私が元妻を刃物を使って殺したという逮捕状がでているのであれば、私が元妻を殺したのだと思います」と容疑を否認しています。

　2人は20数年前に離婚していて、警察は2人の間にトラブルがなかったなどを詳しく調べる方針です。