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【卑劣】逮捕者続出ホストクラブで使用されていたマニュアル『一撃講習』「彼女であること」「昼職であること」「伝票の裏には親の連絡先を」…“素人女性”の女心を巧みに利用し、落とし・脅し・毟り取る、その卑劣な中身とは?

2024年11月12日 16:00
【卑劣】逮捕者続出ホストクラブで使用されていたマニュアル『一撃講習』「彼女であること」「昼職であること」「伝票の裏には親の連絡先を」…“素人女性”の女心を巧みに利用し、落とし・脅し・毟り取る、その卑劣な中身とは?
あなたの彼氏は大丈夫?

 どこででも見かける、恋人同士。二人は2023年5月、SNSを通じて出会いました。これも、よくある話。ただ一つ違ったのは、彼氏の正体が“悪質ホスト”だったこと…。2024年10月、恐喝罪で起訴されたホストらが使っていたのが、『一撃講習』という手口。その卑劣な中身とは―。

■ターゲットは“素人女性” 女心を巧みに利用する『一撃講習』の手口とは

 2024年9月、現役ホスト・A (当時23)とホストクラブ代表代行・B(当時26)が、大阪府警に逮捕されました。捜査の中で、代表代行・Bのパソコンから、新人向けマニュアル『一撃講習』という名の“とんでもないファイル”が見つかったのです。

 『一撃講習』には、ターゲットにする女性について、4つの条件が記されていました。

条件① 彼女であること
条件② 昼職(昼間の仕事)であること
条件③ 20歳以上であること
条件④ ホストの知識がない人

 『一撃講習』でターゲットにするのは、常連客・既存客ではなく“一見客”。ホストクラブの内情もシステムも知らず、ホストを恋人だと思い込んでいる“素人女性”です。

 被害女性は、Aがホストだとは知っていましたが、店には行ったことがなかったといいます。

 しかし、2023年6月―。一緒に行った居酒屋で、Aがこんなことを言いだしました。

(ホストのA)
「ヤバッ!もうこんな時間。遅刻や。このままじゃ、怒られて罰金や…ごめん!お願い!もう遅刻しちゃってんねん。『同伴』で来て、お願い!」

 「付き合っている“彼氏”のピンチを救ってあげたい」―そんな女心を巧みに利用して、“罠”を仕掛けたホストクラブに引きずり込んだのです。

■落とし、脅し、毟り取る…女性を追い込む3つの手口

(ホストのA)
「今日は来てくれて、本当にありがとう。ようこそ、僕の店へ」

 Aらが勤めていたホストクラブ『Aria(アリア)』。Aは高価なシャンパンを次々と開け、被害女性に飲ませました。

 さらに、アルコール度数の高い酒も登場。泥酔状態にすることで、女性から正常な判断力を奪う策略です。

(被害女性)
「もう無理…」

 被害女性が酔い潰れると、Aは被害女性を連れてホテルへ。そこで、出会った時から秘めてきた“残酷な目的”を宣告しました。

(ホストのA)
「酒、あんなに注文して、払うまで帰られへんで!」

 その後、Aは被害女性を連れて、カラオケボックスへ。そこにいたのは、Aの上司・ホストクラブ代表代行のBでした。2人は共謀して、高額の飲み代を請求。被害女性が支払えないことは、織り込み済みです。

 そして、最後に―。

(ホストのA)
「消費者金融で金借りられるわ」
(代表代行のB)
「上限マックスまで、借りられるだけ借りるんや!」

 Aらは、被害女性を連れて消費者金融3社をはしご。被害女性は、借り入れた約108万円を現金で手渡しました。同等の犯行を、店ぐるみで繰り返していたとみられています。

■『一撃講習』が“独自の教育システム”として店の売りに?伝説のカリスマホスト指摘「マルチ商法や投資詐欺と何も変わらない」

 既存客ではなく、一見客から最大限お金を取るためのマニュアル『一撃講習』。その中には、

■女性を酔い潰す
■伝票の裏書きを必ず書かせる(自分・親の連絡先など)
■防犯カメラに写らないために、消費者金融へは女性1人で入らせる
■「ここまでやってくれる子はいない」と演技

 といった内容が書かれていました。また、「消費者金融はデータが出回ってしまうため、一日のうちに何軒も回れ」なども書かれていたということです。

 ホストクラブ『Aria(アリア)』はネット上の求人広告で、店の“売り”をこう記していました。

「稼げる環境、好条件をご用意してお待ちしております!独自のオリジナル教育システムで、アナタの可能性を最大限引き出します」

 “独自の教育システム”…それが、この『一撃講習』だったのでしょうか―。

(伝説のカリスマホスト・城咲仁さん)
「マニュアルを作っているというのは、やっていることはデート商法やマルチ商法や投資詐欺と何も変わらないですよ」

 伝説のカリスマホスト・城咲仁さん。20年前、“聖地”東京・新宿の超人気店でナンバー1ホストの座を守り続けたカリスマに、今回の“事件の深層”を聞きました。

(城咲さん)
「一見さん・素人を狙うのは、ホストとしてのスキルがないから。都条例が厳しくなって、キャッチや呼び込みがダメになって、結局マッチングアプリやSNSしかないんです。その子にだって両親がいて、その先が見えていなくて、イマジネーションの乏しい奴らが犯罪を起こしているわけでしょう。昔は、ちゃんと『夢』を売っていたんですよ。今は『悪夢』を売っちゃっている」

 あの“頂き女子りりちゃん”が騙し取ったお金をつぎ込んでいたのも、客を食い物にする“悪質ホスト”でした。

 SNSを狡猾に利用し、“店ぐるみ”で女性をからめ捕る―ホスト犯罪が今、新しい局面へと変貌しているのかもしれません。

■「これは完全に強盗・脅迫・恐喝」弁護士が警鐘 被害に遭ったら、すぐ警察へ

Q.女性としては、ホストクラブに行ったこともないので相場もわからないし、彼氏だからいくらか彼が負担してくれるだろうと思いますよね?
(弁護士・嵩原安三郎氏)
「『大丈夫だから』『俺が何とかするから』とか言っておいて、豹変するパターンです。親の連絡先などを書くと、真面目な子だから『親に迷惑がかかる』と思ってしまう。そういう子を狙っているんです」

Q.もしお金を払ってしまっても、その後で警察に駆け込む手段はありますよね?
(嵩原氏)
「もちろんです。これは完全に強盗・脅迫・恐喝ですから、警察に行けば、すぐに逮捕されます」

Q.怖いから一旦お金を渡しておいて、「実は…」と言ったら、取り返せるお金ですよね?
(嵩原氏)
「そうです。だから、もちろんお金を渡す前に、消費者金融に借りに行く時は1人で行くわけですから、そこでヘルプを求めてもいいですし、いつでも助けを求められます。こんな連中は、親のところまで行きません。だから、いつでも、どこにでも逃げられます」

 もし同等の被害に遭ったら、すぐに警察に連絡を―。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年11月1日放送)

最終更新日:2024年11月12日 16:00
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