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【いざ箱根駅伝】山上り5区注目選手を紹介

2021年12月31日 19:36
【いざ箱根駅伝】山上り5区注目選手を紹介

1月2日、3日に開催される第98回箱根駅伝の区間エントリーが12月29日にあり、出場21チームの1区から10区までの選手が発表されました。

箱根駅伝が他の駅伝と大きく異なるのは、やはり特殊区間の5区・山上り、6区・山下りがある点でしょう。特に、5区は険しい山道を駆け上る難所。「天下の嶮(けん)」とうたわれる箱根の山に挑む学生ランナーの姿は、多くの駅伝ファンの胸を打ち、これまでに数多くの名勝負が繰り広げられました。

今回山上りに挑む、スペシャリストからスーパールーキーまで、5区の注目選手を紹介します。

■区間賞候補の経験者たち

最注目は、東洋大学のキャプテン宮下隼人選手(4年)。前々回は1時間10分25秒の区間記録を打ち立て、シード権圏外だったチームに勢いを取り戻しました。前回も5区を走りましたが、レース中に右足のスネを疲労骨折するアクシデントに見舞われました。それでも区間3位で走り切りましたが、本人には悔しさが残りました。3年連続の山上りでは、過去の自分超えを目指します。

前回初挑戦ながら区間賞を獲得したのが、帝京大学の細谷翔馬選手(4年)。今シーズンは関東インカレの2部ハーフマラソンで4位に入るなど、平地でも実績を残しました。また、5区は残り5kmを切ってから急激な下りが待ち受けますが、細谷選手は6区の候補にも挙がるほど下りも得意としています。前回以上の走りに期待がかかります。

國學院大學は、前回区間8位の殿地琢朗(どんぢ・たくろう)選手(4年)が再挑戦。今季は、出雲駅伝・全日本大学駅伝と回避し、箱根駅伝の5区に照準を絞ってきました。そして11月、箱根を舞台にした激坂最速王決定戦では、学生トップの2位に入り、改めて上りの強さをライバル校に見せつけました。

前回、往路初優勝のフィニッシュテープを切った創価大学の三上雄太選手(4年)は、前回区間2位と快走を見せています。今回も区間賞争いに加わってきそうです。

■当日メンバー変更か?補欠に控える5区候補

順天堂大学は、1年生の神谷青輝(かみや・はるき)選手が5区に登録されましたが、山上りに意欲を示す実力者の四釜峻佑選手(3年)が補欠に控えており、当日変更となる可能性があります。今季急成長を遂げた四釜選手は、ロードで抜群の安定感を誇り、関東インカレでは1部ハーフマラソンで日本人トップの4位に入りました。万全な状態ならば、区間賞候補の1人と見ていいでしょう。

連覇を狙う駒澤大学は、金子伊吹選手(2年)が5区に登録。これまで大学駅伝への出場実績はありませんが、5区に憧れを抱き大学に入学。11月の激坂最速王決定戦では10位(チーム2位)に入り、箱根のメンバー入りを果たしました。

また補欠には、前回5区4位と好走した鈴木芽吹選手(2年)も控えており、さらに、粘り強さに定評がある佃康平選手(4年)も5区を希望しています。当日変更の可能性もあります。

■新たな“山の神”を目指すルーキーたち

王座奪還を狙う青山学院大学は、ルーキーの若林宏樹選手(1年)が5区に抜擢されました。初優勝を果たした第91回大会の神野大地さん(現・セルソース)以来となる5区区間賞を目指します。補欠には、前々回5区2位の飯田貴之選手(4年)も控えており、山対策に抜かりはありません。

その他、早稲田大学は、高校時代に5000mで高校歴代2位(当時)の好タイムを叩き出した伊藤大志選手(1年)。中央大学は、10月の箱根駅伝予選会で、日本人1年生でトップだった阿部陽樹選手が起用されます。以前は、エースへの登竜門として5区に有力なルーキーが起用されるケースが多かっただけに、青山学院大学の若林選手を含め、フレッシュなルーキーたちが、山上りでどんな走りを見せるか注目です。

はたして、“山の神”と呼ばれるような別格の活躍を見せる選手は現れるのでしょうか。

第98回箱根駅伝は、いよいよ1月2日・3日に行われます。


写真:日本スポーツプレス協会 アフロスポーツ