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青山学院 箱根制覇の裏側に“攻める走り”

2022年1月5日 17:10
青山学院 箱根制覇の裏側に“攻める走り”

2日、3日に行われた第98回箱根駅伝で、2年ぶり6回目の総合優勝を果たした青山学院大学。

今大会には原晋監督が「パワフル大作戦」を掲げてレースに挑みました。その中で、走った10人の選手たちが意識していたのは“攻める走り”でした。

レースの流れを決める重要な1区を走った2年生の志貴勇斗選手は、「パワフル大作戦を聞いて、自分が1区という役割を担う中で、『積極的なレース、本当に力強い走り』ができることが作戦の最初の出だしで重要なことだった」と、区間5位の走りを見せました。

4区を走ったキャプテンの4年生飯田貴之選手も「3区までの選手が首位で僕にたすきをつないでくれたので、最初からガンガン攻めて、序盤で相手のメンタルを削って突き放した」と、攻める姿勢を持って走り、後続との差を広げていきました。

また、原監督が「必ず箱根駅伝で走れるという方程式がある」という独自の考えのもと、往路で起用した1年生2人も好走を見せました。

3区の太田蒼生選手は、「自分の中では、今回の走りは120%出たのではないかなと思う」とチームを先頭に立たせる快走を見せると、5区の若林宏樹選手も「上りに関しては、結構得意としているのでそこは自信を持っていきました」と、2年ぶりの往路優勝に導く走りを見せました。

2位の帝京大学との差を2分37秒のリードを持って臨んだ復路も“攻める走り”を見せました。

9区で、2008年に篠藤淳さん(中央学院大学)がマークした区間記録を46秒上回る、1時間7分15秒で走った中村唯翔選手(3年)は「1区から8区の選手が本当にいい走りしてくれて、自分のところでは後ろとの差はかなりあったが、パワフル大作戦ということなので、守りに入らずに攻めた走りができて良かった」と快走を見せました。

また、フィニッシュテープを切り、10区の区間新記録を樹立した中倉啓敦選手(3年)も「パワフルというのは自分の力をすべて出し切ってこそだと思うので、最後まで気を緩めることなく最後まで全力を出せることができました」と、“攻める走り”を体現しました。

10人の選手が見せた“攻める走り”で見事2年ぶり6回目の総合優勝をつかんだ青山学院大学。「パワフル大作戦」も成功し歓喜につつまれる中、原監督が2つのミスをしていたことが判明しました。

1つ目のミスが、Twitterで区間配置を明かしてしまったというもの。2日のレース前、原監督がたすきとユニホーム、ランニングシューズが映った写真を投稿。その中のたすきに、発表前の復路の区間配置までが書かれているというものでした。

このことについて原監督は、「日頃からですね、区間配置については学生たちに厳重に管理するようにということを伝えてるんですね。にもかかわらず、まさかあそこ順番通りになってると私気づきませんでして、さりげなくTwitterに流した」と、ミスの原因を語る一方で、「今更いいよと、誰使っても走れるからということで、そのまま消さずしてTwitterに載せさせていただきました」と、レース前から箱根優勝への自信を感じさせる一幕を明かしました。

2つ目のミスは、優勝を決めたあとの胴上げのシーンにありました。

選手たちに胴上げをされた原監督でしたが、「私的には、読売ジャイアンツの終身名誉監督の長嶋茂雄さんのような舞い上がる胴上げを想像してたんですけども、(選手たちに)支えられてましたね。もっとダイエットをして天高く舞うように、私自身も今年1年、節制していきたいと思います」と、自身の想像と違った胴上げを悔やんでいました。

来年度以降は追われる立場となった青山学院大学ですが、原監督は「今回98回箱根駅伝、10区間中8人がですね、来季も残ります。補欠に回っている選手もですね、非常に力強い選手が数多くいます。さらにパワフル大作戦バージョンアップさせてですね、大会新記録をさらに更新するようなレース展開をぜひ期待してください。青山学院、進化はやめません。」と、よりレベルアップすることを誓いました。