【箱根駅伝】「集団走はしない」予選会トップ通過の立教大学 経験者8人…盤石の布陣で63年ぶりシード権獲得に挑む
■「集団走はしません」予選会驚がくのレースプラン
1934年の第15回大会に初出場して以来、過去29回出場、最高3位を誇る立教大は、1968年の第44回大会を最後に箱根の舞台から遠ざかっていました。
近年は、2024年の大学創立150周年と同時に迎えた節目の第100回箱根駅伝出場を目指し、2018年からチーム強化に尽力。成果はすぐに現れ、第99回箱根駅伝で55年ぶりの出場を決めました。
今年4月、高林祐介新監督が就任。学生時代は駒澤大学で8区と9区の2つの区間賞に輝いた実力者がチームの改革に着手。
3年連続の箱根路へ、予選会を前にした高林監督は選手の声に耳を傾け、「集団走はしません」と立教独自のレースプランを考案しました。
「ラスト5㎞のところからどれだけ勝負を仕掛けられるか。『後半勝負』に重きを置いている。集団走はしません。(選手たちから)早々に崩壊したと、僕たちはそういうのはできませんと言われた。それぞれ個人でレースマネジメントをしてもらう。これも『立教らしさ』」だと笑顔で話します。
■経験者8人…新体制は盤石の布陣
日中の気温が30度を超える過酷な暑さの中行われた予選会当日、ライバル校に脱水症状などのアクシデントが相次ぎます。
しかし、「集団走をしない」立教大の選手たちの足取りは最後まで変わらず。昨季の箱根駅伝で3区を走った3年生エースの馬場賢人選手がチームトップ、日本選手3位でフィニッシュすると、後続が続いた立教大が過去最高成績となる総合トップで3大会連続の本戦出場を確定。監督から伝えられたペースを各々の判断で守り抜いた個人走が結果に結びつきました。
高林監督も「最初から順位がいいので、むしろ大丈夫かと。後半勝負だよと思っていたんですけど、しっかり我慢してくれたんで、チームとしては良かった」と安堵の表情。
主将・安藤圭佑選手(4年生)も「やっぱりシード権が一番目標だったので、ここをいい順位で通過しなければシードにはつながらないことを意識して今までやってきた。そこが達成できたのは良かったと思っています」と喜びをあらわにしました。
その後、立教大は箱根予選会をトップ通過した勢いそのまま、初出場の全日本大学駅伝で7位入賞、初のシード権を獲得しました。
さらに、10日に発表されたチームエントリーでは、主将・安藤選手や、エース・馬場選手、予選会チーム2位だった林虎大朗選手ら前回の箱根駅伝を経験した8人を含む全16名が登録。
盤石の布陣で臨む3年連続の箱根駅伝では、江戸紫のユニフォームを身にまとった選手たちによる63年ぶりのシード権獲得に注目が集まります。