【箱根駅伝】流した涙は“伝統の重さ” 日本体育大学は継続中最長の77年連続出場 山崎丞や平島龍斗ら3年生が台頭
日体大は1949年の初出場以降、半世紀以上箱根路を走り続ける大学駅伝屈指の伝統校。総合優勝も10回を誇ります。
だからこそ、選手たちはその伝統を重みを知っています。今年10月の箱根駅伝予選会では、前回1区を任され区間9位と健闘した山崎丞選手(3年生)が予選会チーム内トップの走りでチームをけん引。暑さで厳しいコンディションの中、総合4位で本選出場を決めました。
継続中では最長となる77年連続の出場。伝統を守り抜いた選手たちは、思わず安堵(あんど)の涙。チームを率いる玉城良二駅伝監督は「よかったな。これからだぞスタートは」と、声をかける姿がありました。
■悪天候のときほど実力が試される「こういう経験値は大きい」
大会直前の合宿では、77年連続の77回目の箱根へ、伝統校の矜持(きょうじ)をみせるべく、強風吹き荒れる中で練習。行っていたのは悪天候を想定した“単独走”でした。
悪天候のときほど実力が試される。あえて20キロ走は一人一人間隔を空けてスタートします。特に前回10区で区間6位と好走をみせた4年生の住原聡太選手は、強風にも負けず、ぐんぐんと前へ。2分前に出た選手もとらえ、その仕上がりは順調そのもの。
玉城駅伝監督は「悪いコンディションの中で一人で走るということは、一番ツラい状況ですので、こういう経験値は大きい」と手応えを口にしました。
■“伝統”を紡ぐ頼もしい3年生たちの存在
次の日本体育大学の伝統を受け継ぐ選手たちの存在が頼もしい。
予選会チーム内トップの山崎丞選手をはじめ、全日本大学駅伝では1区区間賞を獲得した平島龍斗選手、10000mチームトップのタイムをもつ田島駿介選手ら3年生の台頭が目立ちます。
頼もしい後輩と臨む箱根駅伝。キャプテン分須尊紀選手は「自分が在籍した4年間の中で間違いなく一番力を持っているチームになってきている。後輩たちに最後シード権を残して、“託す”という走りもできたらと考えています」と自信をのぞかせました。