◇レスリング パリ五輪代表選考プレーオフ・女子68キロ級(27日、味の素・ナショナルトレーニングセンター)

レスリングのパリ五輪代表最後の一枠をかけた女子68キロ級のプレーオフが27日に行われ、尾崎野乃香選手が石井亜海選手に残り約9秒から逆転し、パリ五輪代表を内定させました。

天皇杯全日本選手権終了時点で、女子で唯一パリ五輪のレスリング代表選手が決まっていなかった68キロ級。

第1ピリオドは、尾崎選手が3-0とリード。第2ピリオドは、終盤で石井選手が4-3と逆転します。それでも残り9秒89から尾崎選手が石井選手のバックをとり、約2秒のタイミングで再び逆転。尾崎選手が5-4で石井選手を下し、自身初のパリ五輪出場を決めました。

この劇的勝利に尾崎選手は「私は結構逆転できるようなタイプではなかったので、自分でも自分が試合したんじゃなくて、ほかの自分がいたかのような気分」と驚いた様子。「10秒前は本当に絶望的な気持ちだったのでちょっと信じられない。自分がオリンピックの枠をつかむっていう思いでやってきましたけれど、実感がちょっとまだ、受け止められないくらいうれしい」と振り返りました。

これまでは62キロ級を主に戦っていた尾崎選手。去年9月の世界選手権で石井選手が代表決定を逃したことで、階級を上げて五輪へ再挑戦していました。

初となる五輪への切符をつかみ、「私のレスリングのオリンピックを目指す道って波乱過ぎるなと思いますね」と振り返り、「自分の力だけで本当にできなくて、皆さんにサポートしていただいて、本気でここで勝つためにやっていただいて結果が出せた。オリンピック金という思いでやるので、そこも自分の力だけでは難しいので、皆さんの力をいっぱい借りて体ももっと大きくして金とれるように頑張りたい」と力を込めました。