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女子やり投げ日本初「金」北口榛花選手 1投目で決めた今季最高…強さのヒミツ【バンキシャ!】

2024年8月12日 11:49
女子やり投げ日本初「金」北口榛花選手 1投目で決めた今季最高…強さのヒミツ【バンキシャ!】
※写真:長田洋平/アフロスポーツ

日本時間11日、史上初の快挙となりました。パリ五輪陸上女子やり投げで、北口榛花選手が金メダルを獲得しました。オリンピックのトラック・フィールド種目では、日本女子初めての金メダルです。大一番で果たした雪辱、そして北口選手の強さのヒミツとは――?【バンキシャ!】

その快挙を成し遂げたのは、1投目の記録だった。

実況
「注目の1投目。高く出ました、やり。60は超えてきた!いきなり65を超えた!」

女子やり投げ決勝に臨んだ北口榛花選手。いきなり65m80の今シーズン自己ベストをマーク。

実況「これはライバルにプレッシャーをかけましたよ」

この記録を最後まで誰も超えることができず。

実況
「この瞬間、北口榛花の、この種目の金メダルが決まりました」

トラック・フィールド種目では、日本女子初の金メダルに輝いた。

叫びながら鳴らしたのは、金メダリストだけに許される「勝利の鐘」。

北口選手
「うれしいんですけど、うれしいだけじゃ足りないくらい、本当に言葉にできないくらいの気持ちで」

「夢の中では70m投げられていたので、ちょっと悔しい部分もあるんですけど、またがんばって現実にできるようにしたいです」

その北口選手。強さだけでなく、ファッションにも注目が。予選後のインタビューでは、頭にチョウのヘアピン、耳にはチョウのピアス。その理由を聞くと…

北口選手
「きれいにやりが飛んでくれますようにと思って、チョウチョウのアイテムを増やしました」

この2つのアクセサリーを、決勝でも身につけていた。

さらにこんなシーンも話題に。

実況
「あー、そしてカステラを頬張って」

決勝の競技中に食べていたのは、カステラ。キッカケは、「日本記録を出したときにカステラを食べていたから」だといい、日本のコンビニで売っている物を両親が買ってきてくれたという。

北口選手は、明るさを見せる一方で不安も抱えていた。

北口選手
「不安な部分がたくさんあったままパリに臨んだので。本当に誰かが信じてくれなかったら、ここに立てなかったと思いますし」

2023年の世界選手権では頂点に立ち、今大会は世界ランク1位で迎えたが…

3年前の東京オリンピックでは、日本勢として57年ぶりに決勝進出したものの、ケガもあり最下位の12位に沈んでいた。

実況
「いまコーチの元に歩み寄っていく北口。思わず涙が…」

あれから3年。基礎から鍛え直しオリンピックの舞台に戻ってきた。北口選手の強さについて、女子やり投げで、2大会連続でオリンピックに出場した、海老原有希さんは…

海老原さん
「彼女の体格をいかして、水泳やバドミントンで培ってきた体の使い方、体の柔軟性を最大限にいかした本当に大きなフォームをしっかり作ることができて」

「肩とか肩甲骨周りがすごく柔らかいので、大きく体を使って後ろから前に投てきすることができることが一番のポイント」

さらにこれまでとは違う、新たな一面も。北口選手といえば、最終6投目に逆転する「勝負強さ」が代名詞だったが、オリンピックの大一番でみせたのは「先行逃げ切り」。

北口選手
「いつもは6投目までのんびりしているんですけど、きょうは他の選手もすごい選手ばかりなので、プレッシャーをかけられるように1投目からいきたいと思って臨んだので」

「逆転する勝負強さ」だけでなく、「逃げ切る勝負強さ」も備え、“新しい北口選手”へと進化していた。

海老原さん
「1投目集中して本当に集中、大きな投てきをする、本当に本人も一生懸命考えた戦略で、コーチもそういう風に取り組んで試合を自分のペースにしたっていうのが1番のところかなと」

会場アナウンス
「ゴールドメダリスト、オリンピックチャンピオン、ハルカ・キタグチ!」

3年前の雪辱を果たし、頂点に立った北口選手。

北口選手
「なんかすごく大事な物をもらった気持ちで何回も見ちゃいます。えへへ」

「ずっと夢に見ていた金メダルなのですごくうれしいです」

「真夜中からご声援ありがとうございました」

インタビュアー
「本当にきょうは笑顔あり涙ありですね」

北口選手
「そうですね。ありがとうございます」

*8月11日放送『真相報道バンキシャ!』より