【箱根駅伝】駒澤・篠原倖太朗「ずっとマネしています」田澤廉の背中を追う3年生エース
■田澤に近づきたい…どんなことでもマネを
篠原「空気が入ってこなくて、脚に酸素が回らなくて、やっぱりきついです。(高地)を感じますね」
目標とするのは2つ上の田澤廉選手。先を行くエースに近づきたい、とにかく何でも吸収したいということで、「田澤さんが作ってくれた道があるので、そこをたどっていけば必然的に強くなれる」と語るように、篠原選手は色々な部分で田澤選手のマネをします。
■「日本代表と練習していますから」
3月に行われた日本学生ハーフマラソン。3位までがワールドユニバーシティゲームズの日本代表に内定するこのレースで、15キロ過ぎで飛び出したのは篠原選手。全体トップの1時間2分16秒でフィニッシュしました。篠原選手の口からは「押せる自信があったので。日本代表(田澤選手)と練習していますから」とここでも田澤選手の名が出ました。
この走りに大八木弘明監督(当時)も「練習は嘘つかないわ。これからは田澤に少しでも近づけるように努力しましょう」と激励の言葉をかけます。
■キャプテンとは冗談も言える仲
夏に長野県の志賀高原で行われた合宿。食事の時はいつも隣の席には4年生で主将の鈴木芽吹選手が座っていました。
篠原「部屋が一緒なので、一緒に来るじゃないですか。そうしたらこうなっちゃうんですよね」
鈴木「部屋もご飯も一緒ってちょっとやばくない?」
篠原「本当は一緒にいたくないですよこっちも」
鈴木「そんなこと言ったら、俺だって一緒に食べたいわけじゃない」
篠原「なんでそんなこと言うんですか、ひどいな笑」
冗談も言い合える、仲の良さと信頼がうかがえます。
そんな篠原選手にも苦悩の日々が訪れます。春に数々の記録を出し、名を上げたエースですが、6月に調子を崩し、走れない時期もあったといいます。
「Cチームの練習すらできなかった時があったので、そのときは焦りました」と振り返った篠原選手ですが、「芽吹さんにも相談したけど、なんか他人事なんですよね笑」とキャプテンからは意外な反応が。鈴木主将は「エースならごちゃごちゃ周りにいわないで、気持ちもってやれと言い放ちました」と、強い言葉で返したと言います。
すると、篠原選手は10月の出雲駅伝で1区区間賞、11月の全日本大学駅伝で3区区間2位とエースとしての実力を発揮。「自分がエースです」と自信を口にした篠原選手は、箱根駅伝に向けて「100回大会に出られる世代に生まれてきたので、勝ちたい」と意気込みました。