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【密着】20秒の一発勝負 トランポリンの女子高校生選手

2023年12月3日 12:05
【密着】20秒の一発勝負 トランポリンの女子高校生選手
トランポリンの競技時間は約20秒、失敗すればやり直しがきかない一発勝負の世界です。今年のインターハイで高校1年生ながら決勝進出を果たした熊本の女子選手に密着しました。

高い跳躍!そしてアクロバティックな連続技。まさに空中芸術!抜群のセンスを持つ高校1年生、牧杏菜選手。これまで数々の大会で優勝経験のある実力者です。

Qトランポリンの魅力は?
■牧杏菜選手
「難しい技をしたりとか、高いところでたくさん回って、着地でなるべく移動しないでできたりするところ」

トランポリンは10回の跳躍で演技、難度、跳躍時間、移動の4つを競います。跳躍時間は長いほど高得点となり、移動は着地が中心からずれるたび減点されます。床の中心はわずか畳1畳分しかありません。

安定した演技に欠かせないのが、体幹の強さとバランス感覚。牧選手の練習では、目を疑う体幹トレーニングが…!バランスボールの上でスクワットをしているのです。

Q何回する?
■牧杏菜選手
「30回」

周りの選手も難なく実践する姿に、スタッフが挑戦しますが…失敗。

牧選手の特徴をコーチの上杉里香さんに聞きました。

■上杉里香コーチ
「他の女の子に比べて脚力やジャンプ力はずば抜けて高いと思う。大学生の男の子がいるが、負けず嫌いで張り合うところが彼女の強み」

所属するクラブには、インカレのクラス別優勝経験者も。

■黒屋瑞貴さん
「隠れてでもしっかり柔軟だったり、筋トレを怠らなかったりとか。負けず嫌いでライバルの選手を作って、その人に勝とうと普段から頑張っている」

牧選手のジャンプの最高到達点は6メートルを超えることも。

Q怖いと思ったことは?
■牧杏菜選手
「新しい技をする時は怖いけれど、そのあとは全然」

牧選手に20秒の演技を再現してもらいました。気になったところは映像で確認します。

■牧杏菜選手
「跳んでいる時は良いかもと思っても、見たら膝が曲がっていることがあるから、課題を見つけて跳んでいます」

負けず嫌いの性格は小さな頃から。3人きょうだいで末っ子の牧選手は、兄の亮汰さんの影響で小学3年生まで野球少女。この頃から男の子と張り合う気の強さでした。

小学4年生の時トランポリンに出会い、翌年大会に初出場。去年、3戦を戦って九州1位を決める大会では、中学生ながら初代チャンピオンに輝きました。

自宅では毎日トレーニング。練習に行く前や休日も欠かしません。試合のたびに一緒に映像のチェックをするのが、母の美雪さんです。

■母 美雪さん
「いつも膝を伸ばしといて」
■牧杏菜選手
「伸ばしてる」
■母 美雪さん
「こんなにトランポリンにはまると思っていなくて、本当に好きで頑張っている感じ」

Q原動力は?
■牧杏菜選手
「たくさんの大会に出て優勝したいし、周りの人のお手本になれるような選手になろうと思って、頑張っています」

今年8月、100人以上が出場したインターハイ。牧選手はトップ10に残り、県勢初の決勝進出!7位に入賞しました。

間近で演技を見ていたコーチも手ごたえを感じています。

■上杉里香コーチ
「必ず本番でできると自分を信じている、もちろん足りないところもあるが、もっと楽しく跳べれば、いけそうな気がします」

決勝で見えた課題の1つが難度点の底上げ。ただ、バランスを崩しやすくなるのでリスクも伴います。修正能力が高いのも牧選手の特徴の1つです。成功なるか…。

【演技 前方2回宙返り1と1/2捻り(えび型)】

見事に成功!一緒に練習する仲間は。

■林田菜々美さん
「怖いことでも自分から挑戦して、あきらめずに最後まで頑張るところがかっこいい」

牧選手が見据えているのは…。

■牧杏菜選手
「いろいろな大会で決勝に残って、来年の国体出場選手枠を取って頑張りたい」

インターハイの表彰台、そして国体の決勝へ。牧選手の挑戦は続きます。

熊本県民テレビのニュース