目指すは “初の国立の舞台” 総大附属「高校サッカー冬の選手権」全員が主役なる試合を!《長崎》
全国高校サッカー選手権大会に県代表として挑む長崎総合科学大学附属高校。(=総大附属)
ハードなトレーニングを乗り越えてきたイレブンが、初の国立の舞台を目指します。
冬の選手権まで1か月を切った今月初め。試合形式で練習をしていると…
(定方敏和 監督)
「靴を替えようー!」
選手の表情が曇ったその理由…。
それは、毎週火曜日に行われる「伝統のトレーニング」。
(坂本 錠 選手(3年))
「“シシャモ” 。足も、肺もきつい。これやると強くなります。心も、体も」
(島田俐亜武 選手(3年))
「心の中でも最悪でしか嫌だとしか思ってないです」
ホイッスルを合図に全員スタート。
選手たちが口をそろえて “避けたい” と話す「シシャモ」。
この走りを終える頃には、ふくらはぎが「子持ちシシャモ」のようにパンパン。
1キロの距離を3分20秒以内、50メートルになおすと10秒以内で走り続けなければならない過酷なトレーニングです。
このタイムを6本すべてクリアすることが、トップチームに入る基準のひとつだそうで…。
(定方敏和 監督)
「1分!」
(藤原悠聖 選手(3年))
「きついけど、頑張ったら試合でも(動きが)楽になるので、日々の積み重ねが試合に影響する」
今年の新人戦は “ベスト4”。
県高総体は “準優勝” と、無冠で迎えることとなった先月の選手権県大会。
決勝は(過去の)対戦成績が1勝1敗の「創成館」を相手に、持ち味のハードワークで圧倒し4-0。大会連覇を果たしました。
率いるのは、就任3年目を迎えた定方 敏和 監督 52歳。
選手には、自ら考えて行動できるよう、すぐにはアドバイスせずヒントを与えることを意識しているといいます。
(定方敏和 監督)
「やれー。いいんじゃない、今みたいに。何が起こるかわからない。(ボールが)出るまでやる」
“チームとしてどう戦うべきか”
夏以降、公式戦でもゲームキャプテンを複数の選手に経験させるなどしたことで、一人ひとりの考えが深まり、組織力が高まった総大附属。
(定方敏和 監督)
「(試合に)出ているものがチームの代表であり、県の代表でもあるので、全員が主役になってほしい。全員に期待したい」
前回大会で全国のピッチを経験した宇土尊琉 選手と坂本 錠 選手。
ベスト4以上を目指しましたが、初戦で敗れ、悔しい選手権でした。
今年、キャプテンを任され、試合では “チームを勝たせるプレー” を常に心がけてきたと話す宇土選手。
(宇土尊琉 選手(3年))
「点を取れるボランチになるということが課題だったので、自分のポジションをもう一個前に上げるっていうことは、今年1年すごく意識してやってきた。自分が得点して、チームを勝たせられるようにしたい」
坂本選手はゴール前でのコントロールショットを磨くなど、フォワードとしてのプレーの幅を広げてきました。
(坂本 錠 選手(3年))
「自分のゴールでチームを勝たせて、1、2年生にもっと先の景色を見せたい。得点王を目指す」
また この3年間で大きな成長をみせた1人が、両親がブラジル人というゴールキーパーのマガリェンス・アルナウド選手です。
入学した時は、同じ学年のキーパー4人の中で3番手でしたが…
(マガリェンス・アルナウド 選手(3年))
「第1キーパーと第2キーパーがケガをして、(代わりに)自分が出た頃から出場機会が増えた」
185センチの長身と長い手足、恵まれた体格を生かした安定したセービングに。
キックの精度もあげ、絶対的守護神に成長しました。
(マガリェンス・アルナウド 選手(3年))
「自分が点を決められなかったら負けることはないので、強い気持ちを持って絶対、最後まで諦めずに勝ちにいきたい」
チームのモットーは「全員攻撃・全員守備」。
10回目の出場となる今大会は、これまで以上に “組織で戦う” チームとして選手権に挑む総大附属イレブン。
試合終了のホイッスルが鳴り響くまでピッチを走り、戦います。
(宇土尊琉 選手(3年))
「去年、初戦で負けた悔しさを胸に、今年は必ず初戦勝って、国立という舞台に立ちたい」
長崎総大附属の初戦は今月29日、埼玉県の「NACK5スタジアム大宮」で8年ぶりの出場となる埼玉県代表の「正智深谷」と対戦です。
午後0時5分キックオフです。