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【車いすハンドボール】目指すは世界! 世界選手権の日本代表候補に岩手から男女2人が選出

2024年8月19日 17:38
【車いすハンドボール】目指すは世界! 世界選手権の日本代表候補に岩手から男女2人が選出
 特集は車いすハンドボールです。2024年9月、エジプトで開かれる世界選手権日本代表候補に岩手から男女2人が選ばれました。世界を目標に練習に励む様子を取材しました。

 盛岡市にある建設会社、「杢(もく)創舎(そうしゃ)」で墨付け作業をするのは、大工の大和田(おおわだ)洋平(ようへい)さんです。

 大和田さんは2014年、スノーボード中に転倒。脊髄を損傷し、車椅子生活が始まりました。

 大和田さん
 「けがした時は大工はやめようと思っていたので何かできる事はありませんかと尋ねたところ、社長があるって言ってくれて、その時はもううれしかったですね」

 会社にとって重要な役割を担っていると、澤口社長は言います。

 澤口社長
 「墨付けという作業を、日本の中でもそんなにできる職人が少ない。それを車いすに乗って成し遂げているので、当社にとっては大切な職人」

 そんな大和田さんにはもう一つの顔が・・・

 スピード感あふれる動きからシュートを決める。車いすハンドボールの選手なんです。

 大和田さん
 「元々車いすバスケットボールをやっていて、去年9月からハンドボールの活動を始めました」

 ハンドボールを始めておよそ1年、大和田さんは重い障害を抱えながらも高い次元で攻守に参加。アグレッシブなプレーが認められ、来月エジプトで行われる車いすハンドボール世界選手権の日本代表候補に選出されました。

 大和田さん
 「絶対選ばれたいと望んできたので、決まった時はホッとしたところもありましたけど、逆にプレッシャーもきましたね」

 今は、攻守の切り替えの早さやシュート力の向上に重点を置き練習に励んでいます。

 今回、岩手から日本代表候補に選ばれたのは大和田さんともう一人、菊地(きくち)紫(ゆかり)さんが選出されました。

 菊地さんは15歳の時に脳卒中を患い、一命はとりとめたものの、高次脳機能障害と右半身まひの後遺症を抱えています。

 しかし、持ち前の明るさとチャレンジ精神で様々なスポーツに挑戦しています。

 菊地さん
 「最初は驚いたんですけど、一生懸命精一杯がんばります」

 世界選手権に出場するためには、女子選手がチームに2人以上、試合では必ず1人入る事がルール。そもそも女子選手が少ない車いすハンドボールでは、貴重な存在。また、独特のルールも設けられており、360度ターンもその一つ。

 車いすハンドボールは一回転してシュートを決めると2点。

 世界選手権に日本が出場するのは初。そして8月24、25日に行われる最終選考会で、候補15人中、派遣メンバー11人が決定します。

 大和田さん
 「11人のメンバーに入れるようにちゃんと準備していきたい」

 菊地さん
 「自分ができる事を一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします」

 日の丸を背負って、岩手から世界へ。2人の戦士が飛び立とうとしています。
テレビ岩手のニュース