【秋田県知事選】告示まで1か月 新たなリーダーに何を求める?県民への独自アンケートと立候補予定者の考えを詳報
県知事選挙の告示まで、20日でちょうど1か月です。
佐竹知事は、任期満了で退任する意向で、これまでに新人2人が立候補を表明しています。
新たなリーダーに、県民は何を求めているのか。
ABSが独自に行ったアンケートの結果と、立候補予定者2人の考えを詳しくお伝えします。
■新たな県のトップに何を求める?県民の声
教員(50代)
「秋田はやっぱり子どもは少ないし、少子化が進んでいるので、子どもにどんどんお金をかけて、秋田で活躍してくれる、そういう人材を育てて欲しい」
会社員(50代)
「川の災害とかが多いので、街中でも川が増量して災害が多かったので」
無職(70代)
「前はやっぱり孤立状態になって出られなかった」
会社員(50代)
「仕事にも行けなかったり、職場に泊まったりしたことも前はあったので」
自営業(50代)
「若い子は給料も安いし、私たちのころと違って車も買えないじゃないですか?車を買って、ガソリンも払ったらもうピーピー状態なので、若い子たちが最初に働いた段階で、いろいろ楽しく過ごせるような、お金を使えるような感じになればいいのかなって、そういう感じはあります」
自営業(70代)
「知事にはオールラウンダーでいてほしいかなと」
■ABS独自アンケートの結果は?
16年ぶりに誕生する新しい知事に、何を期待するのか。
秋田放送は、「ABSあきたアプリ」を使って、独自アンケートを実施しました。
2週間で1000人以上の県民から回答を得ています。
アンケートは4択で、先週金曜日時点の集計結果です。
“新しい知事に最初に力を入れて欲しいこと”で最も多かったのが、「所得向上と雇用対策で」58%、「医療福祉の充実」が19%、「子育て支援」が17%、「防災・減災」が6%でした。
続いて、一番参考にしているメディアです。
テレビ・ラジオが最も多い結果に。
SNSやインターネットは19%でした。
次は、前回4年前の県知事選挙で過去最低となった投票率を上げるアイデアです。
インターネット投票の導入が最も多い結果となりました。
海外では導入している国もあります。
「投票するときに重要視すること」では、政策が60%を占め、人柄が21%、リーダーシップが14%でした。
■立候補予定者2人の考えは?単独インタビュー
これまでのところ、県知事選挙への立候補を表明しているのは、元県議会議員の鈴木健太氏。
そして、元副知事の猿田和三氏の2人です。
すでに事実上の選挙戦が始まる中、ともに人口減少対策の推進を前面に打ち出す2人に、具体的な取り組みを聞きました。
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まずは、最も多くの県民が最初に力を入れてほしいとあげた、「所得向上と雇用対策」です。
鈴木健太 氏
「県内中小企業の最大の課題であります人手不足に対しては、Aターンを増加させるというのを最優先課題にしております。働き手が秋田に戻ってくるということで、皆さんの業績を助けたいと思っています」
また、鈴木氏は、中小企業のデジタル化などを進める補助制度の拡充やマーケティングを行った上での観光振興、それに、企業誘致の量から質への転換などをあげています。
猿田和三 氏
「最低賃金はいまの1.5倍を取り組んでいきます」
「新商品、販路の拡大、M&A、働き方改革、これをしっかりとサポートしていきます」
猿田氏は、このほか、農林水産物の販路拡大のため、自ら先頭に立って商品を売り出していくことや、秋田空港と大館能代空港に新たな名称を付けて、誘客につなげること、それに、企業の新産業への参入を後押ししたい考えです。
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続いては、「医療・福祉の充実」です。
鈴木健太 氏
「まず医療福祉の行政の現場においてですね、脱お役所仕事と言いますか、目の前で困っている方にもっと寄り添った、心の通った対応ができるように、そういう行政の側の意識改革というのを、最初に全般として進めるべきだと思っております。そして医師不足対策、これは非常に深刻なんですが、いま、県と医師会が進めている二次医療圏の再編をはじめとする、医師不足対策はしっかり継続して結果を出していきたいと思っています」
猿田和三 氏
「どこにいてもしっかりと安心して医療福祉サービスの提供を受けられるように、二次医療圏、三次医療圏の体制を整備します」
「介護、看護、この訪問看護ですね、これをしっかりと受けられるように、国の診療報酬以外の不足分については、県が独自にサポートしていきたいと、その制度を作りたいと思っています」
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続いて、「子育て支援」です。
ともに、小中学校などの給食費の無償化をあげました。
このほか、鈴木氏は、病児保育の体制強化や、スポーツ選手の県外流出を防ぐための高校入試制度の見直しを。
猿田氏は、保育料や18歳までの医療費の無償化のほか、高校の再編にあたり、県外から生徒を集められる、地域の特色を活かした学科の創設を進めると述べました。
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最後は「防災・減災対策」です。
ともに、河川改修など、インフラの整備をあげました。
加えて、鈴木氏は、消防団やボランティアとの情報共有など、ソフト面の強化や、避難所の備蓄を充実させて、災害に強いまちづくりを進める方針です。
猿田氏は、中山間地域の水田や森林整備などと一体となった水害対策の推進と、移動式のトイレを備えた車、トイレカーの導入をあげています。
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政策の方向性のほか、この日は、スーツやネクタイも似ていた2人。
県民にとってはっきりとした違いが見えにくい中、鈴木氏は、佐竹県政の継続か刷新かを争点にあげています。
鈴木健太 氏
「長年最重要課題とされてきた、人口減少であったり、少子化というものに対して、成果が全く出ていないと。これはやはり抜本的に流れを変えて、新しい知恵をしぼっていくべきだと思いますので、刷新を掲げておりますので、これをこのまま行きますか、または一度やはり今まで県庁、県庁というのを外からの目線で政治を進めていこうとするか、そこの戦いではないかと思っております」
一方、猿田氏は、今後の県政には継続と刷新の両方が必要だと強調します。
猿田和三 氏
「ずっと同じままかと言ったら足りない部分ありますよね。人口減少対策も若者対策、女性の活躍推進も、それはさらに新しい事業もやっていきますと」
「継続と改革、改善、刷新どっちかじゃない、両方ですよと、私は思っています」
告示まで1か月。
2人は、各地で県民との対話の機会を設けています。
より良い秋田をつくるためには、私たち一人ひとりが様々な機会を通じて、立候補予定者の声に耳を傾けることが大切です。
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秋田放送のホームページでは、立候補予定者のインタビューをノーカットで掲載しています。
また、ABSあきたアプリで行ったアンケートの最新結果は、 このあと午後7時からアプリ上で見ることができます。
なお、立候補を検討していた早川周作氏に具体的な動きは見られず、2人による一騎打ちの可能性が高まっています。