成瀬ダム知事が視察 「事業費増額は妥当」
東成瀬村で建設が進む成瀬ダムの工事現場を佐竹知事が視察しました。事業費が370億円あまり増え、およそ2600億円となる成瀬ダム。佐竹知事は増額を妥当だとしながらもコスト削減に努めていくと述べました。
成瀬ダムは洪水の被害を軽減するほか雄物川流域の地域に農業用水と生活用水を供給する「多目的ダム」として国が建設を進めていてます。14日は佐竹知事が建設現場を訪れ、工事の担当者から進捗状況などについて説明を受けました。
成瀬ダムの建設について国土交通省は先週、工期が1年延び、2027年度の完成となることを示しました。またこれにともなう人件費の増額や資材価格の上昇などで、事業費は370億円あまり増え、およそ2600億円になると明らかにしました。
成瀬ダム工事事務所によりますと、水を貯めるダムの本体に使うセメントはこの2年あまりの間に10パーセント以上値上がりしたということです。さらに、今年度始まった長時間労働の規制で、これまで2交代で進めていた24時間体制の工事が維持できなくなり、工期の延長につながったといいます。
成瀬ダム工事事務所安部剛 事務所長
「凡例にございます通り、資材の単価の平均金額が127パーセントぐらいということで、かなり増額になってきてございます」
事業費の見直しは2021年に続き2回目で、当初の事業費から1070億円あまりの増額となります。これにともない県の負担額も増え、およそ460億円となる見通しです。佐竹知事は増額を妥当だとしながらもコスト削減に努めていくと述べました。
佐竹知事
「県のいろんなこういう事業も全部同じくらいの率で上がってますので、まずは妥当だと思います。国とも情報交換しながら何とか少しでも負担が軽くなるように」
全体のおよそ8割の工事が完了している成瀬ダム。今後順調に進めば再来年=2026年の冬から試験的に貯水が始まります。県は来月開会する県議会に事業費の増額を提案する方針です。