【特集】冬眠しないクマ なぜ街中をさまよう?異常事態を徹底検証 冬眠のメカニズムと出没の謎
県内では、冬になってもクマの目撃例が続いています。
秋田市では、去年11月から12月にかけて、建物の中にクマが居座る事態が相次いで発生しました。
冬眠しているはずの時季にクマが街中をさまよう異常事態がなぜ起きているのか探りました。
去年11月。
秋田市土崎港の市街地にあるスーパーにクマが侵入、従業員に襲いかかり、その後、店舗に留まり続けました。
佐々木勇憲 記者
「いま猟友会、警察がおりを店の中へと入れていきました。風除室の中に設置しておくということです」
発生から丸2日。
店内で捕獲されたのは、推定6歳のメスのクマ。
体重は約70キロあり、脂肪を蓄え、丸々と太っていました。
県や秋田市によりますと、クマは出口を探すため、売り場の棚を壊したりガラスを割ったりしましたが、店の中の商品を食い荒らしたような形跡は見当たらなかったといいます。
県内ではその後も街をさまようクマが各地で目撃されています。
カメラがとらえたその姿は、いずれも丸々として見えます。
県自然保護課 近藤麻実さん
「結構あちこちで足跡が見かけられていて、ただ通っただけ、まだ寝ていない、ウロウロしている。目的地を目指してどこかに歩いているわけではなく、本当にあちらこちらを目的もなくさまよっている」
冬眠せずにさまようクマ。
なぜ冬の間も人の生活圏に出続けるのか?
冬眠のメカニズムと出没の謎に迫ります。
■街中をさまようクマ
先月下旬。
秋田市にある自動車整備工場にクマが侵入しました。
発見される数時間前、現場から700メートルほど離れた住宅街にある防犯カメラは、クマとみられる動物の姿をとらえていました。
去年7月に運用が始まった、県のツキノワグマ等情報マップシステム「クマダス」。
出没情報を集約していて、地図画面にはクマの目撃を表すアイコンが、県内の広い範囲に示されています。
クマダスによると、先月1日以降、20日までに184件の目撃情報が寄せられています。
記者
「これとこれは大きい」
県自然保護課 近藤麻実さん
「サイズが違いますね。明らかに足跡の大きさが違うので、そういうこと(親子)なのか」
クマが目撃された地点を調べる、県自然保護課の近藤麻実さん。