JRで初めての試み JR北上線で無料乗車キャンペーン始まる
横手市と岩手県北上市を結ぶJR北上線に無料で乗車できるキャンペーンが始まりました。利用者が少ない赤字路線の一つ、北上線。無料乗車キャンペーンは日曜日までの4日間でJRとしても初めての試みです。
1924年に全線開通し来年11月に100周年の大きな節目を迎えるJR北上線。キャンペーンは沿線の住民に感謝を伝え今後の利用促進につなげようとJRが企画しました。9日朝のJR横手駅は北上線に乗る多くの人が列を作りました。
利用者は「このキャンペーンで何十年ぶりかで乗ってみようと思った」などと話していました。
横手市と岩手の西和賀町そして北上市の全長61.1キロを結ぶ北上線。運転区間が短い列車を含め上り下りあわせて1日16本運行しています。
無料乗車は事前に乗車票を受け取った人が対象で、JRは6500枚を配布しました。
JRによりますとおととし、2021年度の北上線の赤字額はおよそ15億円に上り厳しい収支が常態化しています。利用者数の減少が進み、以前は17あった駅の内、横手市の2つの無人駅が去年、廃止となりました。
こうした中、行われたJRとしても初めての無料乗車キャンペーン。岩手からも多くの人が北上線に乗って横手駅に降り立ちました。
北上から来た人は「生まれて初めて乗りました。景色が車とは違った感じで、ほのぼのと、のどかな感じでした」と話し、車窓からの風景を楽しんでいました。
JR横手駅の山本真也駅長は「ちょうど紅葉もいい感じになっておりますので、魅力を感じてもらって、そしてまた乗ってみたいなと、また列車の旅してみたいなと思っていただければ非常にうれしく思います」と話していました。
利用客が減る一方で、鉄道施設の維持や除雪などの費用が重くのしかかり、ローカル鉄道は厳しさを増しています。
活性化の足掛かりにしようと始まった北上線の無料乗車キャンペーンは12日日曜日までの4日間です。