クマを指定管理鳥獣に 検討会始まる
今年、人が襲われる被害がこれまでで最も多くなったクマを、捕獲が国の支援対象になる「指定管理鳥獣」にするかどうかを検討する専門家会合を環境省が開きました意見をとりまとめた上で年度内に方針を決めることにしています。
環境省が開いた検討会の委員は研究者や有識者など7人です。県自然保護課の近藤麻実さんもその一人で、東北を代表して参加しています。検討会ではクマを、農作物や生態系、さらには生活環境に被害を与える「指定管理鳥獣」にするかどうかについて意見をとりまとめます。
「指定管理鳥獣」になると都道府県による捕獲が国の交付金によって支援される対象になります。いまはニホンジカとイノシシが指定されています。
環境省によりますと今年4月から11月までに人がクマに襲われてけがをしたり逃げる際に転倒してけがをしたりする被害は19の道府県で212人に上っています。このうち70人が秋田県内です。
相次ぐ被害を受けて北海道や東北など8つの道と県の知事は先月、連名でクマを「指定管理鳥獣」に追加することなどを求めた緊急要望を環境省に提出していました。
26日の検討会では各道県の担当者から被害の状況や対策が報告されたほか、交付金の使い道について要望が出されたということです。
検討会は来年の2月末をめどにクマへの総合的な対策の方向性を打ち出すことにしていて環境省は「指定管理鳥獣」にするかどうかの方針を年度内に決めることにしています。