キトサン抽出へ上海ガニの養殖 1130匹を新たに放流
養殖技術の確立を目指し美郷町で6年前から上海ガニが飼育されています。実用化に向けた研究をさらに進めるため16日、新たなカニが養殖池に放流されました。
高級食材として知られる上海ガニ。美郷町千屋の山あいにある施設で養殖が行われています。東京生薬協会と製薬会社の龍角散が町の協力を得て進めているもので、今年で6年目に入りました。去年はおよそ600匹のカニを放流しましたが、1月から2月にかけての寒波の影響で半数以上が死んでしまいました。今年は甲羅の大きさが3センチから5センチの小さなカニ1130匹を放流しました。
上海ガニの研究の目的は、脱皮したカニの殻に含まれるキトサンを抽出することです。キトサンは医薬品のほか化粧品や農業など幅広い分野で活用されています。上海ガニは脱皮の回数が多いことからより多くのキトサンの採取が期待されています。養殖する池ではカニが成長しやすいエサなどの飼育環境を探りながら効率的な養殖技術の確立を目指します。
上海ガニの養殖は来年12月まで行われ、再来年にはキトサンが抽出されて実用化に向けた成分の分析などが行われることになっています。