モリモリ食べる!相撲少年たちの強化合宿に潜入 将来を嘱望される潟上の中1も参加
体を鍛えながら、陽希さんは大好きな相撲の道を、突き進んでいます。強化合宿の様子を取材しました。
体格のいい少年たちが美郷中学校の相撲場に集まってきました。
県相撲連盟が主催する中高生を対象にした強化合宿です
近年この世代の県勢はレベルが高く、
去年は鷹巣中学校が団体戦で全国準優勝を果たすなど成果をあげています
そして、そんな鍛錬の場を楽しみにしていたのが
「この初めての合宿なんでちょといろんな人とやれるんでちとまあ楽しい気持ちでやっていきます」
佐々木陽希さん中学1年生です
2月に東京で行われた元横綱・白鵬が主催する子ども相撲大会「白鵬杯」で優勝。
小学生、最後の大会で見事日本一に輝きました。
このきれいに足が上がった四股。天性の柔軟性とそこから生み出されるパワーが陽希さんの持ち味です。
相撲専門部 鈴木湧平委員長
「えー中学生は5月の末に行われる東日本が初戦かなという風に思います。
で、きょうはあと 最初高校生と中学生の上位の方で申し合いをしていきます」
「申し合い」とは実力が近い者同士で行う勝ち抜き戦です
「ちゃすちゃすちゃす」
勝敗が決すると周囲のメンバーが次は自分だと名乗りを上げます。
伝統ある最も厳しい稽古の一つです。
陽希さんの出番 相手は3学年上の高校1年生です。
こちらも高校生相手の取り組み
陽希さんまだまだ筋力では敵いません。
しかし「この場に立てるだけでもすごいと」、指導者の鈴木湧平さんは言います。
「まだやっぱり中学校1年生っていうところはあるんですけど、一番驚いたのは気持ちの面ですね。
だいたい腰が引けるというか、なんて言うんですか、陽希くんは自分から出てくる
というところが素晴らしいなと思いました」
格上との稽古に充実感を滲ませる陽希さん
というのも、陽希さんが通う潟上市の羽城中学校には相撲部がありません。
普段は隣の井川町のスポーツ少年団で稽古に励んでいます。
ただ、メンバーは小学5年の男子児童と、中学3年の女子生徒のみ。
日本の伝統でもある相撲ですが、競技人口の減少は切実です。
「いただきまーす」「いっぱい食べてね」「ハイ」
受け入れ側も万全の準備をしていました。
「これガス(炊き)なんですよ。だからおいしいの
だからいっぱい食べちゃう」
「これ何合炊いたんですか全部で?」
「なな… 7升」
ご飯だけでも食べ放題にしてあげたい。1人3合食べる計算で7升の米を用意しました。
しかし稽古終わりでみなぎる食欲。
そして盛りの多さは完全に計算外。
これには調理場のみなさんも…
更に…
「今何かけた?」
「ソースです」
「お味は?」
「いやっおいしい おいしいです」
あらゆる手段でご飯を平らげていきます。
「やはり強くなって欲しいです。ねえ 体もっともっと大きくしてね」
地域のサポートでおなかはいっぱい。そして夢もいっぱいです。
そして大きな夢を持っているのが。
そう、陽希さんの夢は中学校で相撲部を作ること。
「THE青春みたいな 毎日走りながら帰るみたいな感じ
まあいつかちっと 個人も勿論そうなんですけど自分も全国の舞台で団体で戦いたいな…」
入学式では早速積極的な立ち合いをみせました。
「安藤先生 ちょっと… 部活…」「うん」「自分ちょっとつくり作りたいんです相撲部ちょと」
「あ、相撲部つくりたい?笑 ほう やるきある?」「やる気あります」「やる気あるの」
「チラシというかまあ」「作ってきたの?」
「一応チラシ… まあ校長先生に渡って」
「顧問になる人は 用意しましたよって感じ…」
逸材獲得には失敗しましたがこの日も歩みを止めません
鈴木さんの弟 源太さんは横手高校時代、相撲部をゼロから立ち上げました
陽希さんからすればまさに夢を叶えた人。
その道筋が知りたい。
陽希さん ここでも押しの一手です。
陽希「相撲部作る秘訣って何ですか?」
鈴木「いきなりだな」
源太「????来るね~」
陽希「ああすいませんちと」
源太「陽希くんでかいでしょ」
陽希「はあ 体重もやっぱおっきいっすね」
源太「絶対最初怖がられるんだよな俺もそうだった」
陽希「じゃあ誘う時にちっと あの絶対にやめたほうがいい口癖とかありますか?」
源太「えー 誘い文句ね簡単に楽しいよとか面白いよってあんまり言わない方がいいのかもしんないね。
実際とギャップもあるだろうから」「本当の自分が体験していいと思う事と大変と思うことをちゃんと伝えた方が…」
自分の相撲道をまっすぐ進む陽希さん。中学校での挑戦は始まったばかりです