藤井八冠に「食べてほしい!」“3連敗”雪辱誓う中華シェフの秘策
『名古屋東急ホテル』にて行われた、藤井八冠のタイトル戦。意外な人物がリベンジに燃えていました。それが、対局中のお昼ご飯“将棋めし”で、過去3回、藤井八冠から一度も選ばれていない中華のシェフ。果たして、今回の“秘策”とは。
熱戦が続く叡王戦の舞台は再び名古屋へ。第3局の会場は、名古屋市中区の『名古屋東急ホテル』です。ホテルの最上階にあるロイヤルスイートのお部屋。毎年この部屋に15枚の畳を敷いて、対局場としています。
気になる一泊のお値段は、28万3000円。『名古屋東急ホテル』の伊藤紀代美さんは、「期待もございますけど、準備の段階から最後の最後まで、非常に気を遣いますし大変緊張いたします」と対局時について話します。
大一番に身構えるスタッフ。その緊張感はホテルの厨房にも及んでいました。毎回、和食、洋食、中華の3つのジャンルを用意する“将棋メシ”。
藤井八冠が対局で名古屋東急ホテルを訪れるのは、今回で4回目ですが過去に選んだ料理は、3年前がカレー、2年前はオムライス、そして去年はあんかけソースがかかったハンバーグと3年連続で洋食なのです。
この結果に洋食の前島浩行総料理長は、「嬉しいっていうところは、一つあります」と微笑みます。その一方で、中華の坂田博幸料理長は、「藤井さんは3回とも中華の方は頼まれていないので、ぜひ今回、中華の方を取っていただけたら嬉しいかなと思います」と意気込みます。
続けて、「今回出させていただいたのは、「酢豚と海鮮のあんかけ焼きそば」なんですけど、こちらどちらも『南国酒家』で1、2番の人気メニューでございます」と、勝負をかけたメニューを明かしました。
絶対の自信を誇る人気メニュー。そんななか、ここまで3連勝中の洋食には、ある“勝利の方程式”がありました。「地元の食材っていうのは選ばれているのかなと思います。今年(の候補の中で)は名古屋コーチンを使った焼きカレーですかね。(少しでも選んでもらえるような)思いも込めて考えました」と、前島総料理長は話します。
そして当日、藤井八冠が選んだのは「カレー」。結果は、4年連続で洋食となりました。
食事やおやつも話題になる将棋のタイトル戦。この夏、新たな熱戦が。今年7月に行われる藤井八冠の防衛がかかる王位戦の第1局。会場は、名古屋市東区の『徳川園』。その際に、提供されるおやつ候補を名古屋市内のお店から公募することになりました。
応募条件は、名古屋市内に店舗(本店)のある和菓子・洋菓子店。電話帳に載っているだけでも、名古屋市内のケーキ・和菓子のお店は500近くあり、激戦のコンテストです。
審査の上で選ばれた8品程度を、実際に藤井八冠と対局する棋士に選んでもらうことになるこのコンテストは、お店としても大チャンス!
3年前の王位戦で藤井八冠が食べた「ぴよりんアイス」は、対局中に紹介されてから問い合わせが殺到。「ぴよりん」は全国的に有名となりました。ほかにも藤井八冠が選んだ、『青柳総本家』の名物「カエルまんじゅう」に生クリームとクリームチーズをミックスした「ケロトッツォ」、『不二家』の「コロコロしばちゃん」なども話題に。
おやつの審査は公式HPで一般投票も行う予定。選ばれたおやつは今年12月まで、名古屋市内の各店舗で購入可能となります。