その持ち方、大丈夫? 「スマホ指」と「スマホ腱鞘炎」、医師が教えるセルフチェック法
スマートフォンを片手で操作するとき、普段どのように持っていますか?実はスマートフォンを持つ時のその小指。注意しないと、“変形”の恐れがあるかもしれません。
指が変形する恐れも!「スマホ指」とは?
今や、私たちの暮らしの一部となったスマートフォン。1日のスマートフォン使用時間について街頭インタビューしてみると、「TikTok、Instagramとか10時間くらい」、「すごいときは12時間とか。コスメとかK-POPとかスクロールしたら出てきちゃうから、気づいたら時間が経っている」など、さまざまな声が寄せられました。
その一方で、「手首のあたりが痛いなって思うときがあります」、「知り合いがスマホをやりすぎて“スマホ指”になった。すごく痛いみたい」など、スマートフォンの長時間使用による手首や指の不調を明かす声も。
こちらは、整骨院を受信した人の手の写真。右手の小指だけが外側に大きく曲がっています。実は最近、スマートフォンの“持ち方”がに関連した、「スマホ指」になる人が増えているのです。
『中日病院 名古屋手外科センター』の西塚隆伸副院長は、「最近はスマホも大きくなったり、重くなったりしてますので、小指側で支えるように持つと、小指の内側に痛みやしびれが出てくる。そのようなことを“スマホ指”というのだと思う」と話します。
スマートフォンを長時間にわたって小指で支えることで、痛みが生じたり、ひどいときは、指が変形してしまう可能性があるというのです。
実際にスマートフォンを長時間使用している人に、“普段の持ち方”を見せてもらうと、小指で支えている人も少なくない様子。なかには、すでに小指が変形してしまっている人もいました。
スマートフォンを1日5時間使用するという、こちらの女性。「ちょっと、ここらへんがへこんでるかなと。気づいたらこの持ち方になっちゃう」と、小指の形について話します。やはり長時間の使用が影響しているよう。
スマートフォンの長時間使用を原因とする痛みは、小指だけではありません。それが、親指から手首にかけて痛みが生じる、通称「スマホ腱鞘炎」。
『中日病院 名古屋手外科センター』西塚副院長は、「圧倒的に、手首の痛みの方が多いかと思います。最近はメールを打つときに、親指を使って早く打つ動作が多いと思いますので、そういったことの積み重ねも原因かなと思います」と、“スマホ腱鞘炎”の原因を分析します。
片手の親指を使いすぎることで、腱が突っ張り、痛みが生じることがある“スマホ腱鞘炎”。実は簡単にセルフチェックできる方法がありました。
まず、スマートフォンを操作する際に使用する親指を内側に入れ、包み込むように手を握ります。
そのまま腕をまっすぐ伸ばし、握った手を前に倒したとき、手首周辺に痛みを感じる場合は、“スマホ腱鞘炎”の疑いがあります。
実際にこのセルフチェックを街の人々にやってもらったところ、「結構(手首が)張りますね」「痛いです」など手首周辺に違和感を感じる反応が。痛みを感じたという人からは、「(スマートフォンを)まぁまぁ使ってる自覚あるんで、しゃーないかな…」と、納得する声も寄せられました。
“スマホ指”と“スマホ腱鞘炎”。その解消法は、スマートフォンの正しい持ち方にあるといいます。
ソフトバンクニュースでは、スマートフォンの持ち方について、「両手で持ち、両手で操作」することを推奨。また、「片手で持つ場合は、小指を下にかけず、操作は反対の手の指を使う」ことで、手や指の一カ所だけに負荷が集中することを避ける方法を紹介しています。
“指一本だけ”で支えないことが大事だというスマートフォンの持ち方。しかし、痛みが気になる場合はどうすれば良いのでしょうか。
『中日病院 名古屋手外科センター』西塚副院長は、「スマホの使用を控え、湿布などで処置を」と痛みが生じた場合の対処法を話します。続けて、「ひどい痛みが続く場合は、ステロイド注射や、十数分で終わる切開手術もあるので、整形外科医など専門医に相談してほしい」と、痛みの度合いに合わせた対処を紹介しました。