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4月から宅配便の配送料が値上げ 届くまでに時間がかかることも 物流2024年問題・解決の糸口は…?

2024年4月1日 11:54
4月から宅配便の配送料が値上げ 届くまでに時間がかかることも 物流2024年問題・解決の糸口は…?
生活を直撃する配送料の値上げ

ネットショッピングなどで利用する宅配便の配送料が4月から値上げします。その背景にあるのは、国が定めた「労働基準法改正」。トラックドライバーの労働時間が制限されることになったのです。そうなると、慢性化するドライバー不足により運べる荷物の量が減るため、運送会社の売り上げが減少。ドライバーの収入も減ってしまいます。私たちの生活を直撃する配送料の値上げ。一体、これからどうなってしまうのでしょうか。

▼物流業界の2024年問題 ドライバー不足の深刻化で配送料の値上げ続々

4月から施行される「労働基準法改正」により物流業界でドライバー不足が懸念され、配送料の値上げに踏み切る会社が多く出てきています。

どれぐらいの値上げかというと、佐川急便は宅配便の料金を平均で約7%、ヤマト運輸は平均で約2%、日本郵便は値上げではなく荷物が遅れて届くようになり、ゆうパックと速達郵便が一部地域で最大半日ほど遅れることもあるということです。

生活への影響が大きい配送料の値上げ。今後の見通しを、物流ジャーナリストの坂田良平さんに聞きました。

坂田さんによると、全国的に賃上げの動きがある中で、運送業者も利益を出してドライバーへ給料として還元したいという思いがあることから、配送料は今後も上がり続けるといいます。日常生活への影響としては、ドライバーの労働時間が規制されることで、遠くの商品が到着するのに時間がかかり、スーパーなどで品薄の可能性もあるということです。そして、こういった問題を解決するためには、荷物を搬入する際の待ち時間などを減らし、運送効率を高めることが必要だと分析します。

国も対策を打ち出しています。そのひとつが、再配達を減らすために「置き配」を推進する、題して「物流革新緊急パッケージ」。置き配を選択した際に、ポイントを還元するなどして再配達の負担を減らし、時間外労働や人手不足の課題を解決するのが狙いです。

ドライバー不足解消の救世主! 長~い「ダブル連結トラック」や後続車は無人で走行する「隊列走行」も

東海地方の運送会社も対策に動き出しています。小牧市の物流センターから出てきた1台のトラック。よく見ると荷台がつながっています。全長は小学校のプールと同じ25メートルと、かなりの長さがあります。

ガッチャンコと2つの荷台をつなげれば、全長25メートルの「ダブル連結トラック」ができあがり! 1台で大型トラック2台分の輸送力を確保できることから、ドライバーの人手不足に対応する施策として期待されています。

一方、高速道路で3台のトラックを走らせ、先頭の車だけにドライバーが乗り、後続車は無人という「隊列走行」という技術は、政府が国家プロジェクトとして商業化の取り組みを目指しています。荷物を積み替える頻度が減り、人手不足も解消するため、目前に迫った物流の転機に向け、さらにニーズが高まっていくといいます。

西濃運輸 営業企画部 山本正治課長:
「人、車、時間っていうものをやはり効率的に回すことができますので、そういった部分で取り組んでいくのがメインというふうに考えています」

私たちの日常生活にも大きな影響を与える物流2024年問題。国や運送業者などによる新たな取り組みで、解決の糸口は見えつつあるのかもしれません。

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