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実習で「教員にならない」決断をする学生も… 教員採用試験の倍率は過去最低 長時間労働で“なり手不足”深刻化

2024年3月28日 8:40
実習で「教員にならない」決断をする学生も… 教員採用試験の倍率は過去最低 長時間労働で“なり手不足”深刻化
学生たちが不安視する教員の長時間労働

教員になりたいという人が減っています。その背景にあるのが、教育現場の多忙さです。中には、教育実習で先生たちの働き方を見て、教員にならない決断をした学生もいました。深刻化する“教員のなり手不足”。学生たちの本音を取材しました。

求人は増加する一方で希望者は減少 学生たちが不安視する“教員の働き方”

先月26日、一番の繁忙期を迎えていた「教員人材銀行」。愛知県内の学校で非正規の講師として働く先生の登録などを行っています。講師を求める学校からの問い合わせは、多い日で100件以上にのぼります。求人が増える一方で、講師登録者数は減っていて、特に新卒での登録者数の減少が大きいといいます。

深刻化する“教員のなり手不足”。文科省の調査によると、近年、教員採用試験の受験者数は減少傾向にあり、今年度の倍率は過去最低の3.4倍。こうした状況を、学生はどう見ているのでしょうか。

塾講師のアルバイトをしながら教員を目指す、教育学部3年生の寺島和希さんは、勉強の楽しさを教えられるような先生を目指す一方で、不安視するのは教員の働き方。

教育学部3年生 寺島和希さん:
「友達から聞いた話なんですけど、教育実習に行って(他の先生が)朝7~8時に出勤するんですけど、夜も10時くらいまで残ってたよと聞いて、ちょっと不安だなと感じました」

文科省が昨年度行った調査によると、月の時間外労働が、いわゆる“過労死ライン”の80時間を越えて働く教員は、小学校で14.2%、中学校で36.6%にのぼっていて、その実態は、学生の目の届くところまで来ています。

なりたくても“できない”と感じてしまう教員という仕事

「教員にならない」決断をした学生にも話を聞くことができました。教育学部4年の井上響さんは、教員にならず一般企業に就職することを決めました。決断に至った理由についてこのように話します。

教育学部4年 井上響さん:
「実習で見た先生たちのように、遅くまで残って朝早く出勤という感じになると、『子どもたちと関わりたい』『授業をつくりたい』という気持ちがなくなってしまうんじゃないかなって」

一方で、実習で感じた勉強を教える“楽しさ”は心に残っていて、働き方が改善されれば、また教師を目指したいといいます。

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