×

食べ歩き専用のプリンが登場! 目指すは「お伊勢参りの新名物」 開発成功のウラには"生成AI"が…!?

2024年1月12日 10:55
食べ歩き専用のプリンが登場! 目指すは「お伊勢参りの新名物」 開発成功のウラには"生成AI"が…!?
食べ歩きできる「ぷりんバー」

食べ歩きといえば、ソフトクリームや串焼きなどが定番ですが、三重県伊勢市のおはらい町で、ぷるぷる食感でなめらかな舌触りのプリンが食べ歩き用として登場! しかも、開発成功のウラには最新技術が関わっていました。

棒に刺さった四角いプリン!? 食べ歩きができる「ぷりんバー」登場!

年末年始、多くの参拝客でにぎわった伊勢神宮ですが、お伊勢参りの楽しみのひとつといえば食べ歩き。付近一帯は食べ歩きグルメ激戦区となっています。

そんなエリアに店を構えるのが、老舗乳製品メーカーが運営する「山村みるくがっこう」です。一番人気はソフトクリームとプリンが一度に味わえる「ぷりんソフト」。年間7万食以上を売り上げる人気商品ですが、食べ歩きに不向きなのが難点でした。ほとんどのお客さんが店の前で立ち止まったり、店内で座って食べています。

山村乳業 開発責任者 山村卓也さん:
「片手を使って支えて、もう一方の手でスプーンですくって歩いて食べるとなると、こういう人混みの中なので難しいかな」

そこで、2か月前に食べ歩きのしやすい新商品を発売しました。山村さんが調べた限りでは、おそらく日本初!?となる新たなスイーツ。その名も「ぷりんバー」。見た目はまるで棒アイスですが、棒に刺さっているのは四角いプリン。ありそうでなかった食べ歩き用のプリンなんです。

プリンに棒を刺した「だけ」じゃない! 開発成功の立役者は"生成AI"

食べ歩き用の商品開発が始まったのは去年の春のこと。最初の試作品はプリンをスポンジで包んだスイーツでしたが、試食した従業員の反応はイマイチ。そのとき、従業員のひとりがプリンに棒を刺すアイデアを出し、周囲も賛同。こうして「ぷりんバー」の開発がスタートしたのですが…。

山村乳業 開発責任者 山村卓也さん:
「固くなりすぎず、かつ食べ歩きにも耐えられるような安定性をどう実現するかっていうのが難しかったポイントです」

プリンを固くすれば簡単に棒を刺せますが、それではなめらかな口溶けが失われてしまいます。一方、なめらかさを優先して試作してみると、ボロボロと崩れてしまいました。なめらかさと安定性、2つの両立に悩んでいたとき、話題になっていた生成AIにアドバイスを求めることを思いついたのです。

山村乳業 開発責任者 山村卓也さん:
「いわゆる物理学の監修的な役割でチャットGPTを起用して、木の(棒の)形とかプリンの形とかをアドバイスしてもらった」

生成AIとのやりとりの末、プリンを固くしすぎなくても、安定させる方法を突き止めたのです。詳しくは企業秘密ということですが、開発から半年、生成AIの力を借りて「ぷりんバー」が完成しました。

「ぷりんバー」が食べ歩きに耐えられるか検証! 目指すは「お伊勢参りの新名物」

「ぷりんバー」は本当に人混みの中で食べ歩いても崩れないのでしょうか? 神奈川から来ていた阿部さん一家に協力してもらい、検証してみました。

まずはお母さんが歩きながら一口パクリ。そのままお父さんに手渡しても問題なし。お父さんが大きな一口で食べても崩れる様子はありません。肝心の味も「甘くておいしい」と好評です。食べ進めていくとプリンが不安定な形になりますが、それでも崩れる気配はありません。多くの人が行き交う中、食べ歩くことおよそ3分。プリンを落とすことなく完食しました。阿部さん一家に感想を聞いてみたところ「豆腐よりちょっと固いくらいでちょうどよかったです」ということです。

今のところ、「プリンが落ちてしまった」という声はないそうで、棒を振ってみたり、ジャンプしても、しっかり形を保っています。発売から1か月で1500本以上を売り上げた「ぷりんバー」。目指すは「お伊勢参りの新名物」です。

山村乳業 開発責任者 山村卓也さん:
「『ぷりんバーっていうものがあったな』という形で、多くの方に召し上がってもらえるような存在になれるといいな」

現在は、チャットGPTを使った商品第2弾を開発中という山村さん。チャットGPTを使うことで、やるべきことが明確になり、闇雲に「ああでもないこうでもない」と悩むことがなくなったといいます。第2弾の商品は順調にいけば今年中に発売する予定だということです。

  • 中京テレビNEWS NNN
  • 食べ歩き専用のプリンが登場! 目指すは「お伊勢参りの新名物」 開発成功のウラには"生成AI"が…!?