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物価高で倒産件数は過去最多 ピンチを打開する喫茶店の奇策

2024年5月2日 16:26
物価高で倒産件数は過去最多 ピンチを打開する喫茶店の奇策
喫茶店が打ち出した奇策

2023年度、飲食店の倒産件数が802件となり、過去最多を記録しました。物価高で苦境にあえぐ飲食店は、コロナ禍を上回る危機的な状況となっています。このピンチを切り抜けようと、名古屋の喫茶店では、ある奇策を打ち出しました。

物価高や円安が直撃 過去最多の倒産となった“喫茶店”と“居酒屋”

午前7時から11時までモーニングサービスを行っている、名古屋市中川区の喫茶店「カフェヨシノ 中島店」。この日は、ゴールデンウィークということもあり朝から大賑わいでしたが、経営側はこんな悩みを抱えていました。

カフェヨシノ 中川透さん:
「燃料や原材料が値上がりしていることもあって、毎月のように取引先から値上げの話がありまして、正直かなり厳しくなってきたなと思っています」

飲食店を直撃する物価高や円安。飲食店の倒産は、新型コロナの影響で2019年度に急増しましたが、その後は減少。しかし、2023年度は再び増加し、過去最多になっています。

帝国データバンクの飯島大介さんによると、食材や電気代などの店舗運営コストが増えたことで、やむなく経営をたたんだ企業が非常に多かったということです。スープの仕込みなど営業時間以外にも作業が多く電気・ガス代高騰のあおりをうけたラーメン店や、コロナ禍で換気の良さが注目された焼き肉店の倒産も増加していますが、2000年以降最多の倒産となったのは喫茶店と居酒屋だといいます。喫茶店は去年1年間で72件が倒産しました。

「何回も足を運んでもらえるような店作りを」 苦境を乗り越えるための新たなサービス

苦しい状況を打開すべく、この店が始めたのは「ランチサービス」。モーニングが終わる午前11時から午後2時まで、ドリンクを頼むと“生こっぺサンド”をつけられるサービスを始めたのです。

この店ではすでに、午後2時から5時までにドリンクを頼むとシフォンケーキなどが付けられる「アフタヌーンサービス」と、午後5時から閉店時間まではミニカレーなどが付けられる「ファイナルサービス」を行っていて、「ランチサービス」の開始により、全ての時間帯でドリンクに1品付けられるようになったのです。

さらに、喫茶店には珍しい、ドライブスルーでの販売も始めています。

お店を訪れていた人たちからも「(この店はサービスが)ずっとあるから、すごいお得です」「コーヒー1杯だけほしい時は(ドライブスルーは)便利だなと思います」と好評でした。

カフェヨシノ 中川透さん:
「一歩進んだ取り組みをすることで差別化を図っていきたい。コンビニエンスストアでも安くておいしいコーヒーが飲める時代なので、たくさんの人に何回も足を運んでもらえるような店作りをしたいと考えています」

物価高や原材料費の高騰を乗り越えるために打った奇策。しかし、5月の食品の値上げが417品目であることが、4月30日に帝国データバンクから発表されています。止まらない値上げの波。飲食店はさらなる大打撃を受けることになるかもしれません。

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