×

「当たり前の生活を守るために、戦争や平和について考えてみませんか」 東邦高校で慰霊祭 空爆で犠牲になった生徒と教員を追悼 愛知・名古屋市

2023年12月7日 12:07
「当たり前の生活を守るために、戦争や平和について考えてみませんか」 東邦高校で慰霊祭 空爆で犠牲になった生徒と教員を追悼 愛知・名古屋市

12月6日、名古屋市の東邦高校で慰霊祭が行われました。この慰霊祭は、太平洋戦争末期、1944年12月13日、B29爆撃機による名古屋への初めての空襲で、東邦高校の前身、東邦商業学校の生徒18人と教員2人が犠牲になったことを悼んで、戦後50年を機に毎年行われているものです。

玄関のすぐ横には、当時、空襲で破壊された三菱重工業名古屋発動機製作所大幸工場の煙突の一部が慰霊碑として置かれています。碑には「われわれは戦争の犠牲となられたすべての方々の慰霊と平和の誓いの証としてこの『平和の礎』を建立するものである」と記されています。

東邦高校では、こうした活動を通して、2014年から生徒会などが名古屋市に嘆願書や請願書を出して、多くの人が犠牲になった空襲があったことを学ぶ慰霊の日を制定してほしいと訴えてきました。名古屋市では、今年度中に「平和を考える日」として制定に向けて調整が行われており、6日の慰霊祭には名古屋市の職員も参列しました。

「名古屋空襲慰霊の日」の制定を訴えてきた東邦高校の西岡莉々子生徒会長は、「戦争や平和について考えることは難しいことですが、当たり前の生活を守るために、戦争や平和について考えてみませんか」と誓いの言葉を述べました。

当時、戦闘機のエンジンなどを作っていた三菱重工業大幸工場に学徒動員としてかり出されていた岡島貞一さん(96)は、当時は非番で戦禍を免れましたが、多くの同級生や仲間を失いました。岡島さんは「生き残った仲間たちもほとんどいなくなった。若い人たちが頑張ってくれて本当に感謝している」と話しました。

東邦高校の生徒達が声を上げた名古屋空襲慰霊の日の制定は、来年2月の議会にかけられ、平和を考える日として制定を目指し作業が進められています。

  • 中京テレビNEWS NNN
  • 「当たり前の生活を守るために、戦争や平和について考えてみませんか」 東邦高校で慰霊祭 空爆で犠牲になった生徒と教員を追悼 愛知・名古屋市