“生卵投げつけ女”に懲役1年6か月の判決 裁判官の「今回で最後にしてくださいね」 に対し、女は無言でうなずく 岐阜・川辺町
岐阜県川辺町で、隣の家の壁に向け生卵を何度も、何度も投げつけたとされる女の裁判。懲役1年6か月の実刑判決が言い渡されました。
今年8月7日、隣の家をにらみ、「クソババァ!クソババァ覚えとけよ」と暴言を吐いて警察車両に乗せられるのは、各務良子被告(53)。
去年11月から今年8月までの間、自宅から隣の住宅に複数回、生卵を投げつけ、壁を汚して壊した罪に問われていて、その裁判が、31日、判決の日を迎えました。
被害女性:
「庭とか畑にいても気持ち悪くて。家にすぐ入ってしまうぐらい強烈な臭いでした」
各務被告の自宅を捉えた防犯カメラの映像。
窓が少し開き、白い卵が2つ投げられたかと思えば、わずか10分後。
さらに3つ。多い日には20個にも上ったといいます。
別の日には、奥の窓から投げるも届かず。各務被告自ら卵の殻を拾い、再び投げ入れました。
被害女性:
「毎日です。投げてない日がない。少ないときで5~6個。多いときには20個くらい」
女性によると、このような被害は、5年ほど前から始まったといいます。
各務被告は、3年前にも同じ容疑で逮捕されていました。それでも続いた迷惑行為。
なぜ、ここまで執拗に繰り返したのでしょうか。
これまでの裁判では、その動機について、「(被害者から)『ばか』とか、『仕事しないで、家にこもっていていい身分だね』とか、相手に言い返すのを我慢していてストレスを感じて投げてしまった」などと隣人から暴言を吐かれたためだと話しました。
しかし、この裁判を傍聴した被害者の女性は。
被害女性:
「全くあり得ないです。(家には)夜9時に帰って朝8時に出かける、ほとんど寝に帰ってくるだけの状態。一切接触がなかったので」
顔を合わせることすらなかったと話しました。
裁判で、検察側は「防犯カメラに映らないように室内から手だけで行った巧妙な犯行」などとして懲役2年6か月を求刑。
一方、弁護側は「深く反省の意思を述べている」などとして情状酌量を求めていました。
そして、31日午後2時半から開かれた判決公判。
裁判官:「主文、被告人を懲役1年6か月に処する」
岐阜地裁多治見支部の小川敦裁判官は、「特異かつ継続的な犯行は悪質」「不快な言動が仮にあったとしても正当化されるものではない」などとして、各務被告に懲役1年6か月の実刑判決を言い渡しました。
各務被告は、前を向いて静かに判決を聞き、裁判官から「今回で最後にしてくださいね」と呼びかけられると、無言でうなずきました。
裁判を終え、長い間被害を受けてきた女性はー。
被害女性:
「執行猶予がつかなくて安心しました。少しの間は安心できるかと思うのですが、もう少し私に平和な時間が欲しかったなと思いました。普通の暮らしがやっとできるかなと考えています」