「総理をねらう男」河村たかし氏 20年ぶりの衆院選も4万7000票の大差で圧勝 なぜこれほどまで選挙に強いのか?
スローガンは「総理をねらう男・アゲイン」 15年ぶりの国政復活へ
保守(愛知1区) 元職 河村たかし氏(75):
「ヒアウィーゴー! 20年ぶりらしい。75歳だぎゃ。文句あるか」
2009年、60歳の時に名古屋市長に初当選。それから15年にわたり市長を務めました。市長になる前には衆議院議員を5期務めていた河村さん。今回は15年ぶりの国政復活を目指す選挙戦となります。
出陣式には妻・名帆子(なほこ)さんの姿も…。
河村名帆子さん:
「(河村さんの様子は)そんなにいつもと変わらない。ちょっと緊張していますかね。結果よりも健康だけを願っております」
今回の選挙戦のスローガンは、「総理をねらう男・アゲイン」。
出陣式を終えると、市長選でお馴染みの自転車街宣へ。昔から貫く河村スタイルです。ただ、御年75歳ということもあり、昔に比べるとペースはゆっくり。今回は車も併用しての活動となりました。
15年市長を務めたこともあり知名度は抜群。街宣中に高校生から「あー! 河村たかしだ!!」と握手や写真を求められる場面もありました。ほかの候補者の応援にかけつけても、演説を終えて河村さんが動くと報道陣も一斉に動きます。
そんな忙しい選挙戦のなかでも一息付けるのが、馴染みの店でのランチタイムです。味噌煮込みうどんを勧められると「毎日(味噌煮込み)になるでよ」と言いつつも、結局注文。
料理が届くまでの時間で、河村さんにインタビューを試みました。
Q.なぜ国政に出た?
河村「もともと国会議員やってたし、名古屋でもできないことはないけど、国で全体でやっていかないと。減税だわな。減税なんて特にそうだ」
Q.本気で総理を狙っている?
河村「当たり前だぎゃ。うそなんか書けへんがね、ポスターに」
Q.どんな道筋で?
河村「分からんですよ。細川護熙さんが総理になったでしょ。国政は分からない。ドドッてなるから」
そうこうしているうちに味噌煮込みうどんが到着。河村さんは「うみゃあうみゃあ」といいながら平らげ、名古屋飯でパワーを蓄えました。
聴衆を引きつける演説手法 久しぶりの国政選挙でも圧勝!
今回の選挙戦で河村さんが強く訴えていたのは…。
保守(愛知1区) 元職 河村たかし氏(75):
「名古屋市会議員って年収は手当てを入れると2000万円。税金を払う方が苦労しとって、税金で食っとる方が極楽。いかんよ、そんなことは」
名古屋市をはじめとした地方議員の報酬が高いことを批判し、この状況を変えると主張しました。
演説を聞いていた人からは「議員の給料下げるのは大賛成。税金払う方が苦しい」「(議員は)大変な仕事だとは思いますが、私たちの給料が上がらないなか、ちょっと考えていただいてもいいのかなとは思います」という声が上がりました。
議員の待遇の良さを批判する河村さんの主張が、なぜ支持されるのか。有権者の投票行動を研究する中京大学の松谷教授は、このように分析します。
中京大学 松谷満教授:
「あいつはお金をもらいすぎているとか、あの人は悪いやつだというのは分かりやすいので、分かりやすさが一部の人々にうけているのかなと思います。庶民とエリート、あるいは既得権益を持っている人との対立構造を強調して、自分は庶民側であるとアピールするポピュリズムの典型的な手法」
そして、こうした政治手法がもたらすリスクについて指摘します。
中京大学 松谷満教授:
「常に敵対関係が社会の中にあるような、ぎすぎすした社会になることを危惧しています」
むかえた10月27日の投開票日。河村さんは、約4万7000票の大差をつける圧倒的強さで当選しました。
保守(愛知1区) 元職 河村たかし氏(75):
「地方議員がようけ給料もらうもんで、家業になってまってる。家業化された政治、これを改める。重要な使命をもったということでございます」
一夜明けて、報道陣に囲まれながら新聞のチェック。
保守(愛知1区) 元職 河村たかし氏(75):
「ありがたいこと、皆さんに取り上げてもらって。使命感を感じますね、もう総理になるんだけど」
共同代表を務める政治団体・日本保守党が3議席を獲得したことについては、このように語りました。
保守(愛知1区) 元職 河村たかし氏(75):
「第一歩としては巨大な一歩を歩み始めたと。保守党の知名度は格段に上がってくると思います」