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岐阜・土岐市で「出張輪島朝市」開催 海産物や輪島塗などを販売する12店舗が出店 豪雨の犠牲となった中学生も過去に手伝いを…

2024年10月8日 13:26
岐阜・土岐市で「出張輪島朝市」開催 海産物や輪島塗などを販売する12店舗が出店 豪雨の犠牲となった中学生も過去に手伝いを…
岐阜県土岐市で「出張輪島朝市」が開催
豪雨被害のあった石川県輪島市で伝統の朝市が、岐阜県土岐市で出張開催されました。豪雨で犠牲となった中学生の喜三さん家族も出店するはずだった朝市。度重なる被災に、私たちができる支援とは…。

復興への道半ばで起きた豪雨被害 「今回はダメージが大きい」

10月5日、岐阜県土岐市の「イオンモール土岐」で復興支援イベントとして行われた「出張輪島朝市」。海産物や輪島塗など、輪島の魅力が詰まった商品を販売する12店舗が出店しました。

1000年以上の歴史を持つ輪島の朝市は、石川県にある奥能登の名物の一つとされています。しかし、今年元日の能登半島地震による大規模な火災で、ほぼ全域が焼けてしまいました。

その後、伝統の輪島朝市は“出張”という形で再開しましたが、9月21日に記録的な豪雨が発生。14人が亡くなり、いまだ1人の安否が不明なままです。

輪島市で塩を作り販売している橋本さんも、塩を袋に詰める作業などをする場所が、床上浸水の被害にあってしまったそうで、商品が作れない状態だといいます。

豪雨で被災した 橋本三奈子さん:
「今回は泥水がついてしまったので、全部外に出して。けっこう廃棄するものばっかりでダメージが大きいです」

今回の「出張輪島朝市」へは無事だった塩を持ってきたそうです。

豪雨の犠牲となった中学生も過去に「出張輪島朝市」を手伝っていた…

実は、今回の「出張輪島朝市」には13店舗が参加予定だったのですが、 1店舗だけキャンセルになっていました。

出店を見合わせたのは、漆器の販売をしている喜三(きそ)さん。9月の豪雨で犠牲になった、輪島市の中学3年生・喜三翼音(はのん)さん(14)の家族です。

翼音さんは、あの日、自宅の2階にいて家ごと流されたとみられています。

今年3月に金沢市で行われた「出張輪島朝市」では、輪島塗職人の祖父を手伝う翼音さんの姿がありました。塩を販売する橋本さんによると、翼音さんは大人しい感じで、お客さんに「いらっしゃいませ」と大きな声をかけるのは、まだ恥ずかしい様子だったと話します。

翼音さんの祖父:
「『じいちゃん、ばあちゃん、私も手伝ってあげるよ』ってところからね、ほとんどの出張朝市も一緒にやってて、お客さんの呼び込みから、お金の勘定から、すべて自分でできるようになった」

絵が好きだったという翼音さん。輪島塗の仕事にも興味をもっていたといいます。豪雨により、尊い命が奪われてしまいました。

二度の被災で出店を休もうと考える人も…

今回出店した人の中には、次の「出張輪島朝市」から休もうと考えている人もいました。ご主人が作った輪島塗の箸などを朝市で売っていた鮓井(すしい)さんです。

豪雨で被災した 鮓井喜代美さん:
「今(地震後の)振り出しどころか(豪雨で)マイナススタートになってしまって。私は、今月いっぱいは輪島にいて、市役所に行ったり片付けとか」

鮓井さんは、地震で自宅の横にあった漆塗りの工房が全壊。豪雨では、市から提供してもらった仮設工房が泥水に襲われました。さらに、自宅の裏山が崩れ、大量の土砂が室内に流れ込んだそうです。

こうした被害により、ご主人が1年がかりで仕上げた取り箸も現在は作ることができず、残り少なくなってしまったそうです。

それでも、「出張朝市にやってくると『頑張ってね』と声をかけてもらえるので勇気づけられる」と話し、笑顔を見せてくれました。

身近な場所で「出張輪島朝市」が開催されると直接的な応援もしやすくなりますが、今はそれもままならない状況のようです。一日でも早く輪島で朝市が開かれる日を迎えるために、私たち一人ひとりが支援を続けていく必要がありそうです。

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