7割が室内で発症!身近で危険な「低体温症」、プロがオススメする“節約”暖房術とは?
寒さが厳しくなる今、「低体温症」に注意が必要だ。最悪の場合、死に至る可能性もあり、昨年の死亡者は熱中症とほぼ同じ数字を記録した低体温症。実は7割の人が、室内で発症しているという身近で危険な病気なのだ。発症を防ぐひとつの方法として、部屋の温度を18℃以上にキープすることが重要。電気代を抑えつつ、部屋の暖かさをキープする“節約”暖房術とは。
名前は聞いたことはあるけれど、実は詳しく知らない「低体温症」。雪山など特別な環境下ならでは病気と思いきや、実は7割の人が室内で発症しているという身近な病気なのだ。「名大付属病院」救急科の山本尚範科長は、症状の特徴として「体の温度が35℃以下になった状態。体が寒いとブルブル震えてきますよね。そのあとにちょっと頭がぼーっとしてくる。(低体温症の方が)熱中症よりも亡くなる方の数は多いのではと言われています」と話す。
最悪の場合、死に至る可能性もある低体温症。厚生労働省の人口動態統計によると、去年の熱中症の死亡者数は1477人、低体温症の死亡者は1450人と、熱中症とほぼ同じ死亡者数を記録。熱中症と同じくらい、日頃の対策が必要な病気なのだ。
忘年会などお酒を飲む機会が増えるこの時期にも、「低体温症」のリスクが潜んでいる。発症するシチュエーションとして、名大付属病院救急科・山本科長は、「寒い時にお酒飲むと手足がぽかぽかしてきて、一瞬体温は上がりますが、そのあとは一気に体の体温が奪われて、低体温に向かっていく。お酒たくさん飲んで、暖房もつけずに布団も掛けずに寝てしまう。こういった出来事で命を落とされる方いらっしゃるんですね」と話す。続けて、「18℃以上に部屋の温度を保っておかないと、低体温のリスクがぐっと上がってくる」と述べた。
スマートウェルネス住宅等推進調査委員会では、冬の一軒家のリビングの平均気温を都道府県別に調査。その結果、一番高い県は19.8度の北海道、東海エリアでは愛知県は16.4度、岐阜県は15.2度、三重県は17.7度ということがわかった。外の気温が低くなることで、18度以下でも部屋が暖かいと感じてしまう人が多いのかもしれない。
18度以上の気温をキープすることも大切だが、それにともなう“電気代”も気になるところ。そこで、中京テレビ「キャッチ!」では、電気代を抑えつつ、暖まる方法を節約アドバイザー・和田由貴さんに教えてもらった。
1つ目の方法は、部屋のカーテンを二重にすること。窓の隙間から冷たい空気が入りやすいため、厚手をカーテンを選んだり、カーテンを二重にすると寒さを防ぐことができるそう。また、100円ショップで売っている「シャワーカーテン」もおすすめで、カーテンの長さを足すことでも効果が期待できるそう。
2つ目の方法は、体に直接温かいものを身につけること。電気膝掛けや電気毛布で手首や足首、首の部分を温めることで体全体を温めることができる。
身近に潜む「低体温症」の危険。楽しい年末年始を過ごすためにも、しっかり体を温めて、発症を防ぐことが大切だ。