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「ごめんね、3位まで上げられなかった…」 アンカー・谷本キャプテンが執念の走り見せるも…力及ばず4位 名城大「全日本大学女子駅伝」8連覇の夢ついえる

2024年11月1日 16:18
「ごめんね、3位まで上げられなかった…」 アンカー・谷本キャプテンが執念の走り見せるも…力及ばず4位 名城大「全日本大学女子駅伝」8連覇の夢ついえる
名城大学女子駅伝部のキャプテン・ 谷本七星選手

10月27日に行われた「全日本大学女子駅伝」で前人未到の8連覇を目指していた名城大学。今年も絶対女王らしい圧巻の走りを期待されていましたが、まさかの4位という結果に…。偉業のその先を見据えていたはずのチームに、一体何が起きたのでしょうか。裏側に密着しました。

スランプ乗り越え8連覇ねらう名城大学

全日本大学女子駅伝8連覇という偉業の更新に向けて、名城大学女子駅伝部のキャプテン、“めがねちゃん”こと谷本七星選手が決意を語りました。

キャプテン 谷本七星選手(4年):
「この駅伝だけは私たちが主役で譲れない。8連覇っていう偉大な記録、自分の手でみんなが持ってきてくれたタスキを1番でゴールさせたい」

混戦が予想された今年、米田監督が勝利の条件として挙げたのは、「アンカーの谷本選手に先頭から30秒以内でタスキを渡す」こと。それができれば8連覇が見えると話します。

谷本選手は、この1年でたくさんの逆境を経験してきました。前半のトラックシーズンから大スランプ。「走れなさすぎて、自分でもよくわからない」というほどの不調で、チームを引っ張るどころではなかったのです。当然、チーム全体も結果が出ません…。

そんなチームの状況を見かねた米田監督は、キャプテンである谷本選手に苦言を呈しました。

米田勝朗監督(56):
「今のチームはやることもやれない。練習に関しても最低限のことだけ。ジョグって言ったらメニュー通りで終わり。しかもペースも遅い。しばらく練習メニューを出さないようにしようと思う」

自分自身もチームも崖っぷち。この状況を変えるため、まずはキャプテンとして「自分自身が変わる」と決意した谷本選手。夏合宿ではチームの先頭に立ち、誰よりも多く走り続けました。走り込んだ距離は、8月だけで650キロに及びます。

キャプテン 谷本七星選手(4年):
「自分を大切にしようと思って、まずは。まずは自分が結果を残す。周りに気をかけてアドバイスもしたり、チームが向上するような声かけもしなきゃいけない立場だけど、結果がないと周りに響かないと思うので」

そんなキャプテンの姿に後輩たちも感化されたのか、緩みがちだったチームの雰囲気も引き締まってきました。今の実力を試す本番前最後のレースでは、谷本選手をはじめ、なんと8人がシーズンベストを更新。

“絶対女王”としての自信を取り戻したチームの面々。仲間たちを信じて今できることをやれば、必ず結果はついてくると、チームの誰もが思っていました。

そして大会当日、「閉会式では笑顔で会おう」と言い残し、選手たちはそれぞれの中継所に向かったのです…。

1区エースに最大の危機 1秒でも早くキャプテンにタスキを…!

全国から集まった26チーム(東北学連選抜含む)が日本一をかけて戦う全日本大学女子駅伝。

名城大学の1区は3年連続で米澤奈々香選手(3年)が務めました。エースで世代ナンバーワンの実力者です。しかし、5キロ手前で異変が…。米澤選手が先頭集団から遅れはじめたのです。例年より気温が7度も高い過酷な環境で、脱水症状を引き起こしていたとみられます。トップとの差は44秒。9位から追う苦しい展開となってしまいました。

2区・上野寧々選手(3年/愛知・豊山町出身)から9位でタスキを受け取った3区・石松愛朱加選手(3年)。ここから追い上げが始まります。2年連続区間賞の実力を発揮し、順位を2つ押し上げ7位に。さらに4区・瀬木彩花選手(2年/岐阜・高山市出身)は4位集団につけ、5区・原田紗希選手(3年)は、1万メートル日本歴代3位の記録を持つ拓殖大学の不破聖衣来選手(4年)になんとかくらいつきます。

アンカーの谷本七星キャプテンにタスキが渡った時点で6位、トップ立命館とは約3分の大きな差がついていました。それでも、名城大キャプテンとしての意地の戦いが始まります。

米田監督の激励にも背中を押され、2人抜き4位に。3位までの差は50秒、まだまだ順位を上げていきたい…。しかし、トップの立命館大学に遅れること2分59秒。谷本選手は区間2位の力走を見せましたが、力及ばず名城大学は4位。8連覇への挑戦はここで終わりました。

ゴールで出迎えた後輩たちに「ごめんね、3位まで上げられなかった…」とつぶやいた谷本選手。試合を終えた今、キャプテンとして後輩たちへ伝えたい思いは…。

キャプテン 谷本七星選手(4年):
「8連覇を目標にやってきたけれど、私たちには、負けたチームには、足りないモノがあったなと感じます。これまでの取り組みが素直に結果に出たと思う。キャプテンとして引っ張れなかった私にも責任があると思う。負けたことは変わらない。でも、挑戦者になれた。今度はひたすら追いかけて、しがみついて食いつくだけ。ハングリー精神をもって次、絶対100%の自信を持って走れるチームにして、年末(大学女子選抜駅伝)は必ず笑って終わりましょう」

厳しい気象条件もあり、残念ながら4位という結果に終わりましたが、6人のメンバーは最後まで見事に走り切りました。「全日本大学女子駅伝」8連覇の夢はついえてしまいましたが、年末には「大学女子選抜駅伝」も控えています。次はどんな走りを見せてくれるのでしょうか。まだまだ彼女たちから目が離せません!

そんな名城大学の1年と、駅伝当日10台以上の独自カメラで追ったドキュメント「強くなりたい女王たち」を、11月3日(日)午後4時30分から中京テレビでお伝えします。

最終更新日:2024年11月1日 16:18
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