野菜19種類が詰め放題540円!キャベツは1回1玉限定、大手スーパーが赤字覚悟で実施を決めた理由とは?「お客さまに楽しんでいただいて、お店に来てほしい」
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愛知県岡崎市で出来た大行列!皆さんのお目当ては高値が続いている“アレ”でした。
愛知・岡崎市にある『ピアゴ上和田店』。
「白ネギ1台、キャベツ1台」
開店前のスーパー前にぞくぞくと並ぶ段ボール。何が行われるのかというと・・・
『ピアゴ上和田店』鍋川原宏和店長:
「野菜の詰め放題の準備してます」
ピーマン、里芋、タマネギやサツマイモなど、多種多様な野菜19種類がなんと詰め放題!
店長のおすすめはキャベツ。他には、新物のじゃがいもとタマネギがおすすめだといいます。値上がりが激しいキャベツも1回1玉限定と個数制限はあるものの、詰め放題にラインナップされています。
食品高騰の今。そして強烈な寒波も押し寄せる中、並んだ人数は約50人。
詰め放題挑戦客からは、「やれるところまでやります」、「そのために野菜買ってないです」など意気込みが寄せられました。
午前10時、いよいよ詰め放題がスタート!あっという間に人だかりができ、皆さん、一心不乱に詰めていきます。
それもそのはず、なんとお値段はワンコイン!詰め放題一袋、500円(税込み540円)で行われていたのです。参加条件は、アピタ・ピアゴの決済アプリ「majica(マジカ)」に登録していること。
売り場では、「まだここにキャベツはさもうかなと」と、大根と大根の間にキャベツを入れるお客さん、「奥さんにシイタケを詰めてと言われて、シイタケばかり」と、袋いっぱいにシイタケを詰める旦那さんなどさまざまな人が集結。
育休中の女性が挑戦していたのは、ネギの袋にナスを入れるという荒技!しかし、『白ネギの袋の中に 野菜を詰めるのはできません』というアナウンスを聞き、野菜を詰め直し。
1人何袋でも挑戦可能ということで、女性はさらに2袋目にも突入。今度は、ナス以外の細長い系の野菜で攻めます。女性曰く、コツは“隙間に壁をつくり、隙間に細い野菜を差すこと”。3袋を詰め、お会計へ向かいました。
「ちょうど育休中なので旦那さんの給料だけで、保てるようにがんばって」と話す女性。続けて、「野菜が(葉物)が高いなと感じるので、とにかく安いの探してスーパー回ってやりくりしています」と買い物事情を明かしました。
少なくとも、1袋2000円相当の野菜を詰められるというこの企画。店の“もうけ”はあるのでしょうか?
『ピアゴ上和田店』鍋川原宏和店長:
「正直大丈夫ではないんですけど、企業努力で頑張らせてもらってます。毎月値上げでお客さまの財布のひもは 非常に固いと感じている。お客さまに楽しんでいただいて、それをきっかけにお店に来てほしいです」
最近の物価を見てみると、食料品の価格はここ5年で1.17倍に。しかし、消費者が買い物をする金額はほぼ変わっていません。
量や質をおさえ、買い控えているとみられ、その分、店側は厳しい状況に。こうしたお得なイベントを通して、お店に足を運んでもらい、買い物客を増やすことが狙いのひとつだといいます。
お客さんでいっぱいの会場で、すご技を見せる人を発見!
小さい頃から詰め放題が大好きな2児の母、馬服萌衣さんです。2人の子どものため、妹や友人も連れて参加。チームワークで野菜をかき集めます。
みんなで力を合わせて詰め込んだ野菜。その数、なんと6袋!3240円分です。レジに行くと、重くてカゴが持ち上がらないほど。
詰めた野菜を並べてもらうと、長机いっぱいになりました。鍋川原店長も量の多さに驚いた表情。「(通常なら)1万円いかないくらいですかね。すごいですね。ここ(ネギ)だけでもうあまり見たくないです」と話しました。
この詰め放題、今後も開催予定。さまざまな店舗で、月1回開催していくということです。