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パリ五輪まで3か月 出発した「聖火」と愛知県の縁 地元の思いを背負い走りきった中学生たち

2024年4月26日 10:46
パリ五輪まで3か月 出発した「聖火」と愛知県の縁 地元の思いを背負い走りきった中学生たち
稲沢の中学生が繋いだ聖火リレー
パリオリンピックの開幕日まで、あと3か月。オリンピックといえば「聖火リレー」ですが、その「聖火」、実は愛知県と深いつながりがあったのです。

聖火ランナーに選出されたのは愛知県稲沢市の中学生9人

4月16日、オリンピック発祥の地ギリシャで行われたパリ五輪に向けた採火式。聖火は、巫女の姿の女性から最初のランナーに手渡され、68日間をかけ1万人が繋ぎます。

4年に一度の祭典で盛り上がるギリシャ・オリンピアの町。楽しそうに踊る子どもたちの輪の中をよ~く見ると、制服姿の日本人がいました。この子たちは愛知県稲沢市の中学生。実は、稲沢市とギリシャ・オリンピア市は37年前から姉妹都市なのです。中学生たちは聖火ランナーとして招待され、滞在中は地元の人たちと交流をしました。

稲沢市民が聖火リレーに参加したのは今回で7度目。前回の東京五輪では、コロナの影響で出発直前に中止となったため、約8年ぶりのギリシャ訪問となりました。

ギリシャへの出発直前、聖火ランナーに選出された9人は、「オリンピックに関われるのが凄いなって」「ありがとうって、みんなのことと平和を考えて走りきってきたいです」「中学生の私が(トーチを)持っていいのかなと責任感というのを感じます」「日本の代表としてふさわしいように、堂々と前を向いて走りたいです」と意気込みを語りました。

9人の大きなミッションは、聖火の火を繋げることですが、トーチを持てるのは先頭の人だけ。誰が持つのかは、現地でギリシャの市長が抽選で決めます。到着後、さっそく抽選が始まり…祖父江中学校の日野竜哉くんが、見事当選しました!

念願が叶い満面の笑みを浮かべる日野くんには、トーチへのある思いがありました。

ギリシャからフランスへ豊川の技術で繋いだ聖火リレー

聖火ランナーとしてトーチを持つのは、祖父江中学校の日野竜哉くんに決まりました。

祖父江中学校 日野竜哉くん:
「同じ愛知県の方たちが作ったトーチを持つことは、とても光栄なことだし誇りだと思います。僕の持つトーチは、日本代表としてのいろんな思いや意志が入ったトーチだと思います。その責任と思いを背負って、しっかり走れるように頑張ってきたいと思います」

日野くんが言うように、実は「トーチ」のある部分は愛知県で作られているのです。

その会社は、愛知県豊川市にありました。アウトドアで使うコンロやバーナーなどの製造を手掛ける「新富士バーナー」です。4年前の東京五輪ではトーチの燃焼部を製造しましたが、毎回デザインや構造が変わるトーチを2大会連続で製作することになったのです。

新富士バーナー開発部 山本洋平さん:
「パリの組織委員会から2022年の8月に突然話をいただき、誰が僕のEメールアドレスを知っていたのかなと単純な驚きはありましたが、その時点で大会も迫っていましたので、やるにしてもしっかりやりきろうと思っていました」

突然の依頼にも関わらず、名誉なこととして引き受けたという開発部の山本さん。東京五輪では火が出る燃焼部分のみの開発でしたが、パリ五輪では、ガスボンベも担うことになりました。今回のトーチは、上からまっすぐ伸びる炎と、走った時に旗のようになびく炎を実現したと、自信を見せる山本さん。

ギリシャからフランスへ豊川の技術で繋いでいく聖火リレー。稲沢の中学生8人と一緒に地元の思いを背負い、堂々と走りきった日野くんの手は…震えていました。

祖父江中学校 日野竜哉くん:
「緊張したし、周りからの視線とか、すごい写真とかも撮られて。一生に一度しかない体験なので、すごい良い体験ができたなと思いました」

東海地方からも多くの人が関わっている聖火リレー。パリ五輪開幕は、7月26日です。

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