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快進撃の男子バレー日本代表 パリ五輪で52年ぶりメダル獲得へ キーマンは“ミドルブロッカー”山内晶大選手(30)

2024年7月4日 12:19
快進撃の男子バレー日本代表 パリ五輪で52年ぶりメダル獲得へ キーマンは“ミドルブロッカー”山内晶大選手(30)
日本代表のミドルブロッカー・山内晶大選手

世界ランキング2位、絶好調の男子バレー日本代表。勝ち続ける度に世界の日本代表ファンが急増し、社会現象にもなっています。ネーションズリーグでは、主要国際大会で47年ぶりに銀メダルに輝きました。快進撃のウラ側にあったのは、強化してきた世界最高峰のディフェンス。その日本代表のキーマンとなる選手を取材しました。

メダル獲得のカギは“ミドルブロッカー” 204cmの長身から繰り出す高速クイック

パリオリンピックで52年ぶりのメダル獲得に挑戦する男子バレーボール。そのキーマンとなる選手を、元ビーチバレー日本代表のアスリートキャスター・溝江明香さんが取材しました。

溝江さんが向かったのは、先日、パナソニックパンサーズからチーム名を変更した大阪ブルテオンの練習場。身長が高いバレーボール選手の中でひときわ目立っていたのが、名古屋市出身のミドルブロッカー・山内晶大選手(30)です。10年前から不動の日本代表で、204cmの身長は代表の中でもっとも高く、まさに日本の壁。

この山内選手こそがメダル獲得へのキーマンなのです。

山内選手の魅力を探るため、溝江さんはコートを縦から見られる位置に移動。横から見ることが多いバレーボールですが、真後ろから見たほうがボールの変化が見やすいといいます。山内選手の最大の武器は204cmの長身をいかした高速クイック、いわゆる速攻です。しばらく練習を見ていた溝江さんは、山内選手のすごさをこのように分析しました。

アスリートキャスター 溝江明香さん:
「単純に高さもすごいですが、滞空時間があってコースを選ぶことができる。ディフェンス側はスパイクコースが何本も見えるので、それがすごく嫌だと思う。このコースが強いからというより、何本もコースを考える待ち方をしなければいけない。日本代表が強くなってきたウラ側にはミドルブロッカーの活躍が大きい」

世界の高い壁を打ち破るためには、ミドルの速い攻撃を多くし、相手ブロッカーに真ん中を意識させることが重要。それによって、サイドからの攻撃がよりマークを減らし、打つことができるのです。

同じチームでプレーする三重県いなべ市出身の西田有志選手は、山内選手について「今シーズン、よりストイックになったと思う。自分のプレーに対する意識がより強い選手」と話します。さらに、同じポジションで最後まで代表争いをしていた岐阜県海津市出身のエバデダン・ラリー選手は…。

エバデダン・ラリー選手:
「パリ五輪の日本代表ミドルブロッカーは3枠。小野寺太志選手、高橋健太郎選手(ジェイテクト)、パナソニック(大阪ブルテオン)の山内晶大選手。僕はこの3人を日本代表ミドルブロッカーの御三家と呼んでいる。ずっと代表で一緒にやっているので鉄壁」

山内選手は、チームメイトやライバルからも一目置かれる存在のようです。

バレーボール歴わずか5年で代表入り パリ五輪では「結果を求めていきたい」

いよいよ溝江さんが山内選手に直撃! 溝江さんと並ぶと、山内選手の身長の高さがより際立ちます。まずは気になるプライベートに切り込むと…。

溝江「名古屋に帰ったら行く場所はあるんですか? ここでよく食事するとか…」
山内「“テンセブン”っていう愛知学院大学の近くにある店です。学生のとき“テンセブン”はめっちゃ行ってました。ばかでかい学生が喜びそうなご飯、ハンバーグ・からあげとかめちゃのっているところ」
溝江「たくさん食べるんですか?」
山内「カレーとかオムライスとか1キロぐらい食べます」
溝江「1キロけっこうな量ですね」
山内「カレーハウスCoCo壱番屋に行ったら1キロぐらい食べますね」

意外にもバレーボールを始めたのは高校に入ってからだという山内選手。日本代表入りしたのが2014年の大学時代なので、バレーボール歴がわずか5年ほどで代表入りしたことになります。これには、同じタイミングで代表入りした石川祐希選手も「すごい」と舌を巻きます。

そんな山内選手が最近、始めたというのが…。

溝江「英語の勉強をしているのを動画でお見かけしたんですけど、すごい流ちょうに話されているのを見ました。どのくらい勉強されているんですか?」
山内「6か月間ぐらいですかね。海外で試合をすることも多いので、海外の選手から学ぶことはたくさんある。"どうやってこのクイック打っているの?"とか"どうやってブロックしているの?"っていうのを、言い方悪いですけど…アホなふりして話しに行ったら壁が低くなるというか」
溝江「けっこう海外の選手って聞くと教えてくれたりしますよね」

そんな山内選手のもうひとつの武器がフローターサーブ。ボールが揺れて変化する無回転のサーブです。パリオリンピックでも、この無回転のフローターサーブがカギとなります。

山内晶大選手:
「大きな目標はメダル獲得。やっぱり海外の選手は大きな舞台になるにつれ、目の色変えて違う顔で戦ってくる。その難しさも知っているので、そういった舞台で自分たちがベストパフォーマンスを出せるかがポイント。結果を求めていきたいですね」

52年ぶりのメダル獲得に向けて、日本は予選リーグでアメリカ、アルゼンチン、ドイツと対戦します。世界のバレーは拮抗しているので、どの国も強敵です。男子は、山内選手以外にも代表メンバー12人中7人が東海地方に関わる選手。全力で応援しましょう!