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「この4年間が人生で一番成長できた」 めがねちゃんの”苦悩の1年” 大学ラストランを終え…連覇を逃したチームへ伝えた最後のメッセージ 名城大学女子駅伝部

2025年1月19日 7:00
「この4年間が人生で一番成長できた」 めがねちゃんの”苦悩の1年” 大学ラストランを終え…連覇を逃したチームへ伝えた最後のメッセージ 名城大学女子駅伝部
キャプテンとして苦しみ抜いた1年

1月12日、京都で行われた各地区の代表者で争う「第43回全国都道府県対抗女子駅伝」。めがねとヘアバンドでお馴染みの名城大学・谷本七星選手が、アンカー10キロに挑みました。この区間には、日本を代表する実業団ランナーたちが多数出場。それでも、3人抜きの快走で地元・広島を6位入賞に導きました。

試合後「目標だった8位入賞を達成できたので、シンプルによかった。(今年はいい1年に)なるように自分でがんばります」と話した七星選手。

しかし、去年は苦しみ、もがき続けていました…。

”めがねちゃん”こと七星キャプテン 大学ラストラン “苦しむ女王たち”リベンジへ

七星選手といえば、名城大学で1年生からレギュラーとして活躍し、全日本大学女子駅伝の7連覇にも大きく貢献したエース。去年10月には、部員20人のキャプテンとして偉業更新の全日本8連覇に挑みました。

アンカー6区、7.6キロを務めた七星キャプテンは驚異の追い上げを見せましたが…結果は4位。先輩たちが長年つないできた連覇の記録を途絶えさせてしまったのです。

レース後、キャプテンとして責任を1人で背負い、3日間泣き続けたという七星キャプテン。

しかし、立ち止まってはいられません。2か月後の12月30日には学生最後となる大学女子選抜駅伝が控えていました。こちらも7連覇がかかった大勝負。全日本のリベンジを誓い、最後までチームを引っ張ります。

試合まで残り20日に迫った去年12月10日、2年前に卒業した山本有真選手が母校訪問にやってきました。卒業生を含め、名城大学女子駅伝部史上で初めてオリンピック出場をはたした、日本代表のトップランナーです。

七星キャプテンにとって有真選手は入学以来ずっと憧れの存在。卒業後、有真選手が初めて名城大学を訪れたときには「うれしい」と感激の涙を流すほど、プライベートでも交流があった最も頼れる先輩なのです。

そんな有真選手と2年ぶりに一緒に練習した七星キャプテン。約1時間のジョグでチームのことなど悩みを思う存分、聞いてもらいました。

名城大学 谷本七星選手(4年):
「(山本)有真先輩とたくさん話させてもらって、意識の高さや、このチームでは感じられない世界観を話してもらって、精神的に吹っ切れた、明るくなれたと思います」

それでも、依然チームは苦しい状態のまま。主力メンバーの石松愛朱加選手(3年)が、駅伝2か月前に右すねに重い痛みが出て1か月離脱。全日本直前に疲労骨折が判明した力丸楓選手(2年)と山田未唯選手(2年)は、いまだ完治せず、満足に走れない状態が続いていました。

その他にも次々と主力メンバーが練習を離脱していきましたが、七星キャプテンは前を向き続けます。

名城大学 谷本七星選手(4年):
「富士山(選抜駅伝)は、チームがどんな状況であれ目指すところは日本一。ブラさずに最後まで戦って、個人的には誰にも負けない走りをして、サラ・ワンジル選手はかなり手ごわいけど、日本人には負けないように、せめて区間日本人1位を目標にやっていきたい」

駅伝前日の12月29日。大会が行われる静岡県富士市の宿舎で、駅伝前最後のミーティングが行われました。そこで七星キャプテンが語ったのは…。

名城大学 谷本七星選手(4年):
「高校時代から考えると都大路(全国高校駅伝)も走ったことないし、インターハイも出られなかった。大学4年間で1回駅伝を走れればいいなと思って入学してきて、苦しい経験をするたびにどんどん強くなることができて、いろいろあったけど、この4年間が人生で一番成長できたと思います。キャプテンになって、うまくいかないことばっかりで、本当に“自分向いてない”と何回も思って…だけど、自分の中では本当に毎日一生懸命やってきて、慣れないことばかりだったけど、みんなが支えてくれたおかげで最後までやり通すことができました。本当にありがとうございます。みんなで力を合わせて最後絶対に笑って終わりましょう」

そして、迎えた大学女子選抜駅伝当日。七星キャプテンの大学ラストランとなるこの試合で、名城大学は7連覇を達成できるのでしょうか…。

最後の大勝負! 選抜駅伝7連覇と区間賞は…?

12月30日。全国から選ばれた24チームが出場した大学女子選抜駅伝。

史上初の7連覇を目指す名城大学は、1区に2年連続区間賞の柳樂あずみ選手(3年)を起用します。しかし、1.5キロすぎの登りで徐々に順位を落とし、序盤から苦しい展開に。トップから33秒差の15番手でたすきをつなぎました。

2区は世代ナンバーワンの米澤奈々香選手(3年)。最初の2キロで一気に10位まで順位を押し上げます。優勝候補のライバル校たちが激しい先頭争いを繰り広げる中、残り1キロで米澤選手が粘れず、トップと1分16秒差の13位に順位を落とします。

3区の近藤希美選手(1年)、4区の瀬木彩花選手(2年)も思うように順位を伸ばせず、依然苦しい展開が続きます。

七星キャプテンが走る最長区間10.5キロの5区には、大東文化大学のサラ・ワンジル選手や拓殖大学の不破聖衣来選手など、各校のエースが集結。大学ラストランとなる七星キャプテンは、このピンチを救えるのでしょうか?

そんな中、大東文化大学のサラ・ワンジル選手が先にスタート。さらに、七星キャプテンの目の前で、拓殖大学の不破聖衣来選手もスタートします。拓殖大学から遅れること11秒。七星キャプテンは12位でたすきを受け取りました。

名城大学 谷本七星選手(4年):
「不破聖衣来ちゃん見えていて、序盤から中継車が遠ざかっていくのが見えて、あ~復活しているなと思った。でも、負けないようにペース上げて、前にいく人全員抜くって思いで…」

その言葉通り、32秒差あった城西大学をかわして7位に順位を上げた七星キャプテン。5人抜きの力走を見せます。

しかし、サラ・ワンジル選手は3.7キロでトップをとらえると、その後は独走状態に。不破聖衣来選手も6人抜きの快走で復活をアピール。七星キャプテンも最後まで懸命に走り抜きましたが、区間順位は4位に終わりました。

そして、最大のライバルである立命館大学が大会新記録をたたき出し、7年ぶりの優勝を決めてから遅れること約5分。名城大学は6区・7区でさらに順位を落とし、結果は選抜駅伝ワーストとなる8位。大学二大駅伝とも連覇が途絶えてしまったのです。

レース後、最後のミーティングで、米田監督はチームにこんな問いかけをしました。

名城大学女子駅伝部 米田勝朗監督(56):
「1年を通して、絶対に負けたくないという気持ちで、自分自身やるべきことをやった自信がある者、手を挙げて」

堂々と手を挙げられたのは、七星キャプテンだけ…。

その七星キャプテンが、最後に後輩たちへ熱いメッセージを送りました。

名城大学 谷本七星選手(4年):
「この1年間を通して、うまくできなかった部分が大半だと思うので、そこはしっかりと来年以降…こんなに苦しい思いをしないために、もっと練習で苦しい思いをして、大会では絶対に笑ってほしいなと思うので、この悔しさとしっかり向き合って、また1年がんばってほしい」

七星キャプテンは4月から、去年実業団駅伝で優勝したJP日本郵政グループに進みます。今年もまた連覇がかかったチームで戦うことになり「また強いチームに行ってしまうなと思って。また追いかけられるのか~」と笑顔を見せました。実業団に進んでも、トレードマークのめがねとヘアバンドは続けるそうです。

そして、名城大学は最強学年といわれた3年生が最上級生となり、米澤選手が新キャプテンとしてスタートしています。1年で王座奪還するため、今年は原点に戻って厳しくいくそうです。

今年も七星キャプテンと名城大学を全力で応援します!

最終更新日:2025年1月19日 7:00
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