平年比4割増「カメムシ」注意報 コメの品質低下を懸念 栄養吸われ、黒く変色した斑点米に 県農業試験場、2年ぶり発令
コメの品質低下につながるカメムシが県内全域で増え、被害の拡大が懸念されています。県農業試験場では2年ぶりに注意報を出し、農家に早めの防除を呼び掛けています。
福井市角原町の水田では12日、市内の農業法人がラジコンヘリを使って、薬剤を散布しました。散布の時期としては例年に比べて早いということです。
■堀内農産 堀内徳人さん
「少し早めにやるのと、薬剤も長く持続するものを選んでやっている」
この農業法人では、およそ80ヘクタールで作付けしていて、コメの需要が高まり、全国的に卸売価格が上昇する中、被害の拡大を懸念しています。
■堀内農産 堀内徳人さん
「減収につながるので、単収を増やすことが目的というか。いいものを作ることを考えてやっている」
県農業試験場が7月初めに県内25か所で行ったカメムシの生息調査では、平年に比べて数は4割近く多かったということです。
カメムシは成長途中の稲穂から養分を吸い、黒く変色させます。この結果、斑点米が増え、コメの価格が低下します。
今シーズンは、大型で吸引力が強いホソハリカメムシや、小型のアカスジカスミカメが特に増えていて、警戒を強めています。
■県農業試験場 小島孝夫さん
「雪が少なかったとか、越冬しやすかったのもあって、天候・温度が高いので(カメムシの)成育が旺盛」
県農業試験場では、今シーズン初の注意報を発令し、早めの農薬散布による防除を呼び掛けています。