【新紙幣】「慣れるまで大変」商店街で使ってみた 自動販売機に入れてみると コレクター「ファイルに入れて持っておく」夫婦「娘が生まれた年の記念に」 福岡
こちらは3日、20年ぶりに発行された新しい紙幣です。3種類すべてデザインが一新されました。福岡でも一部の金融機関で取り扱いが始まり、いち早く手にした人もいました。
福岡市博多区の西日本シティ銀行本店営業部では3日午前11時から、新紙幣の取り扱いが始まりました。
■元木寛人フィールドキャスター
「いま、新紙幣を両替する初めての人の番号が呼ばれました。」
新しいお札をいち早く手にしようと、両替の開始前から25人ほどが訪れていました。
紙幣は偽造防止のため、およそ20年のサイクルでデザインを変えています。今回、新たな1万円札の顔となったのは、日本経済の近代化をけん引した実業家の渋沢栄一です。
5千円札には、日本人初の女子留学生で女子教育の先駆者といわれる津田梅子。
そして千円札には日本の医学の発展に尽力した細菌学者の北里柴三郎が描かれています。
銀行を訪れたこちらの夫婦は、新紙幣1枚ずつ、1万6000円分を両替しました。
■夫婦
「すごいですね。」
「真正面、向いていますね。左を向いてる。」
偽造防止を強化するため、新紙幣には肖像が見る方向によって回転する「3Dホログラム」が採用されています。
■女性
「(娘が)生まれた年と、さっき気づいて。通りすがりだったけど、生まれた年だから取りに来たことにしようかな。」
こちらの女性は、新紙幣が手元に来るのを今か今かと待ち望んでいる様子。古いお札などを集めるコレクターだといいます。
■女性
「Aから始まるじゃないですか。Aから始まるのを持っておきたいので。」
お札にはアルファベットと数字を組み合わせた「記番号」が印刷されています。コレクターとしては、発行順が早いことを示す『A』の記番号がついたものを入手したいところだといいます。
■女性
「Aです。持っておくんです。ファイルに入れて。うれしいです。」
一方、3日午後2時から取り扱いが始まった福岡銀行本店営業部。千円札を手にするこちらの女性は。
■女性
「父から親戚と聞いています。古いのでよくわからないのですが、親族ではあります。」
なんと、北里柴三郎の子孫だといいます。ご先祖様がお札になった感想は。
■女性
「思っていた絵と、ちょっと違う感じ。もうちょっと丸い感じを想像していた。ちょっと堅いかな。」
あまり出回っていない新紙幣をさっそく買い物に使ってみようと、福岡市博多区の商店街に向かいました。
■元木フィールドキャスター
「お会計で、きょうから出回っている千円札、使えますか?」
■菓子の月花堂・店主
「千円札?初めてです。小さいですね。なんかこう、貫禄がないね。」
本当に小さいのでしょうか。実際に比べてみると。
■店主
「そうでもないですね。色合いが慣れていないから小さく見えちゃった。全く一緒ですよ。やっぱり慣れというものがあるでしょう。一万円札、貫禄ないように見えますね。本当、慣れるまで大変。」
一方、こちらは日本に住んで17年、フィリピン出身のホセさんです。新紙幣を入手して買い物に。蒸し暑い中、目の前に見えてきたのは飲み物の自動販売機です。使ってみると。
新紙幣が戻ってきてしまいました。お隣で試してみても、残念ながら使えませんでした。
■ホセさん
「残念でした。悲しいですね。なんとかしませんか、政府の皆さん!」
一方、街の人からはこんな声も聞かれました。
■街の人
「ほとんど電子マネー。お金出すのがめんどくさい。ピッてやったら終わりだから。」
「現金は正直、使わないんなら使わない方がいい。PayPayの方が楽なので。」
日本銀行から金融機関に引き渡される新紙幣は、3日だけでおよそ1兆6000億円分です。キャッシュレス化が進む中で、どのように広がってゆくのでしょうか。