【ストップ!詐欺被害】「彼女になったかのように」SNSで投資を持ちかけられた男性が語るやりとりの実態 9割以上はLINEに誘導
SNSを使った詐欺が急増するなか、その手口も巧妙になっています。SNSで知り合った女性から恋愛感情をにおわせて投資を持ちかけられた男性が、やりとりの実態を語りました。
■女性のメッセージより
「はじめまして。よろしくお願いします」
ことし5月、大分県に住む40代の看護師の男性のフェイスブックに突然、見知らぬ女性からメッセージが届きました。
警戒しながらも返信すると、男性を気遣うようなメッセージが次々と送られてきました。
■女性のメッセージより
「看護師の仕事は確かに大変ですが、ゆっくり休んでください。私はこのようにあなたと話すことが、あなたの仕事に影響を与えることを恐れています」
やりとりを重ねると、女性は恋愛感情を抱かせるような言葉を繰り返すようになります。
■40代の男性
「好奇心のある人が好き、才能ある人が好きと言って、こちらの興味を引くようなことをずっと言うんですね。まるで彼女になったかのように、朝も連絡をしてくる。旅行するのを付き添ってくださいといった話もあったりして、近いうちに会いましょうみたいな話はあった。」
女性は東京で美容クリニックを経営していると自称しますが。
■女性のメッセージより
「やせた顔やボツリヌス菌などの微整形も得意だ。健康を維持してこそ仕事の強度によりよく対応することができる」
不自然な日本語で送られてきたメッセージ。女性は「自分は台湾出身だ」と説明しました。そして。
■女性のメッセージより
「あなたと話すのが楽しかったです。日本語もたくさん勉強させていただきましたし、私はあなたという友人を大切にしています。お互いにLINEを追加しましょう」
連絡手段をLINEに移すよう迫るのは、SNSでの詐欺の常套(じょうとう)手段です。福岡県警によりますと、SNS型詐欺の9割以上は、最終的にLINEへ誘導されているといいます。
女性はLINEを通じて暗号資産への投資を持ちかけてきましたが、男性は投資話を不審に思い、被害を免れました。
■40代の男性
「相手がニーズというか望んでいるような言い方、言葉を選んで合わせてくるので、人によってはそれが安心や信頼につながって投資に乗ってしまうのかなと思いました。実際に何か月も続いていたら引っかかっているかもしれない。」
言葉巧みに相手を信用させ金を騙しとるSNS詐欺。福岡県内ではことしに入って5月末までに、29億8000万円に上る被害が出ています。
なぜ多くの人がだまされてしまうのか。心理学の専門家は「まさか自分が被害に遭うはずがない」という先入観が、最初の落とし穴だと指摘します。
■西南学院大学・田原直美教授
「被害に遭いやすい人を挙げるとすると、自分は大丈夫というふうに自信を持っている方。その方が一番危ない。自分は詐欺には遭わないと多くの人が思ってしまっているので、まずは誰でもがターゲットになりうると、自分も、自分の家族もいつどこで被害に遭うかわからないということを自覚しておくということが一番だと思います。」
手口が巧妙化し、どんな人でも被害者になる可能性があるSNS詐欺。警察は、SNSで知り合った人からのお金の話は詐欺だと疑うよう呼びかけています。